ガイナーレ鳥取GK田尻健が、屈辱的な大敗の雪辱を期している。次節の会場では前回の試合で、自身とクラブのワースト記録となる8失点。4月以来勝利がないホームゲームで、久しぶりの勝ち点3を目指す。

上写真=チュウブYAJINスタジアムでの次節に向けて調整を続ける田尻(写真◎石倉利英)

今季初の連勝を目指す

 鳥取は9月26日の明治安田生命J3リーグ第20節で、カターレ富山に2-0で勝利。アウェー2試合連続の完封勝利で、最下位(15位)から13位に浮上した。今季チームで唯一、公式戦全試合にフルタイム出場している田尻は「失点数が減って、完封できる試合も増えている。後ろから見ていても、しっかりボールに行く、球際の争いなどの守備の基本が、まだまだのところもありますが、シーズン最初の頃よりはできるようになってきた」とコメント。「自分も守りやすくなってきていると感じる」と手応えを口にしている。

 10月3日の次節では、ホームでテゲバジャーロ宮崎と対戦する。会場は練習拠点となっている米子市のチュウブYAJINスタジアム。年に数試合のリーグ戦を開催している同スタジアムでは前回、かつてない屈辱を味わった。

 6月13日、AC長野パルセイロを迎えての第11節は、立ち上がりの6分に失点すると、22分、44分にも失点して、前半終了時点で0-3。後半も失点を重ね、終わってみれば1-8の惨敗を喫した。8失点は2011年のJリーグ参入後のクラブワースト記録で、中学から本格的にGKを始めた田尻にとっても「経験したことがない」という大量失点だった。

 ただ「あのときは簡単にやられてしまう守備でしたが、あの試合で課題が浮き彫りになった」と振り返る。その後も結果が出ない苦しい状況が続いたものの、リーグ中断期間を経て改善の兆しが見えてきたことが、アウェー2連勝にもつながっている。

 4月以来となるホームでの勝利、今季初の連勝を目指す一戦でもある。田尻は「来ていただけるファン・サポーターの方々に勝利を見せられるように、とにかく結果を求めたい」と語り、チームの勝利と、それにつながる無失点への決意を新たにしていた。

取材・写真◎石倉利英