ガイナーレ鳥取MF小田垣旋が、加入発表3日後に先発でJリーグデビュー。5年半プレーしたドイツとの違いに戸惑いながらも、中盤で存在感を発揮し、初のホームゲームとなる次節に向けて決意を新たにしている。

上写真=加入直後にJデビューを果たし、先発定着に向けて意気込む小田垣(写真◎石倉利英)

「もっと自分のプレーを出したい」

 大阪府出身で、ジュニアユース、ユースとガンバ大阪のアカデミーでプレーし、高校卒業後にドイツに渡って4部や5部のリーグで5年半プレーした小田垣は、9月8日に鳥取への加入が発表された。そして11日、明治安田生命J3リーグ第19節・FC岐阜戦で先発出場。前の週から練習に合流していたとはいえ、発表3日後にスタメンで新天地&Jリーグデビューを果たした。

「6月の初めにドイツで最後の試合をしてから、3カ月ぶりぐらいの公式戦」という状況で中盤の一角に入り、持ち味の技術やスペースに抜ける動きを披露した。鳥取が55分に先制した後、61分に交代で退いたが、その後に2点を加えたチームは3-0で勝利。「難しい部分もありましたが、周りのみんなにも助けてもらいながら、何とか勝ててよかった」と勝利を喜んだ。

 今回の帰国について「もともと日本でプレーすることは考えていなかった」と語る。だがドイツの昨季後半あたりからJリーグに興味を持つようになり、鳥取への加入に至った。Jリーグデビュー戦は「緊張はしなかった」と振り返る一方、「ドイツはゴールに直結する、常にゴールへ、というプレーが多い。日本はパスをつなげる選手が多いので、つないでゴールへ、というテンポの違いがある」そうで、「自分が速すぎて合っていないところもあるので、 練習を重ねて合わせていければ。やりながら慣れていきたい」と今後の課題を挙げた。

「人とのかかわりにおいて、日本は組織が重視されますが、海外は個人が重視されます。自立という点で良い経験ができたし、価値観で大きな影響を受けた」というドイツでの生活から、鳥取でのさらなる活躍へ。「個人的にはあまり手ごたえがなく終わってしまった。ボールにかかわる回数が少なかったので、もっと自分のプレーを出したい。試合を決められる選手になりたいです」と語り、先発定着へ意気込む。

 9月18日の次節は、鹿児島ユナイテッドFCとのホームゲーム。「初めてのホームゲームなので、楽しみです。鳥取のファン・サポーターの皆さんに良いプレーを見せたい」との思いを胸に、4月以来となるホームでの勝利への貢献を誓った。

取材・写真◎石倉利英