ロアッソ熊本FW伊東俊が、8月28日のガイナーレ鳥取戦で今季初得点となる先制点。センタリングを相手GKがはじいたこぼれ球に、素早く反応して押し込んだ。中断明け初戦で好スタートを切り、さらなる活躍を誓っている。

上写真=今季11試合目の出場で初得点を決めた伊東(写真◎石倉利英)

■2021年8月28日 J3リーグ第16節(@Axis:観衆1,351人)
鳥取 1-2 熊本
得点:(鳥)石川大地
    (熊)伊東俊、杉山直宏

こぼれ球を押し込む

「中断期間明けの初戦に勝つことを目標に1カ月半やってきたので、勝つことができたのはよかったです」

 試合後のオンライン会見で、伊東はチームの勝利を静かに振り返った。熊本は8月28日の明治安田生命J3リーグ第16節で、鳥取に2-1で勝利。伊東は14分に先制点を決め、勝利に貢献した。

 立ち上がりからボール支配率で上回る展開。「ボール技術や戦術ばかりにならず、基本的な走ることや、体力面を見直してやってきた」と中断期間の練習を振り返り、「追い越す動きや、積極的にゴールに向かうランニングなどを意識してトレーニングしてきた」という成果を発揮して押し気味に進めた。

 先制ゴールは、MF岩下航が左から上げたセンタリングがゴールの枠内に飛び、鳥取GK田尻健がはじいたところを押し込んだもの。前半戦は10試合に出場したが無得点に終わっており、「点が取れていなくて、意識したところで(後半戦)1試合目で点が取れたのは、個人的にもやってきたことの成果が出た感じなので、よかった」と今季初得点を喜んだ。

 熊本はその後、後半立ち上がりの47分に一度は追い付かれた。6月の第12節で対戦したときは、1-0で迎えた89分に追い付かれ、1-1で引き分けている。この日も同様の展開から、62分に勝ち越して勝利をつかんだが、「1点を取った後に追い付かれる、前回と同じ展開。昇格するために、点を取った後の次の1点を取れるチームに、今後みんなでなっていきたい」と反省点を挙げた。

 今季は前半戦を終えて3位。昨季は2位で折り返しながら、後半戦に失速して8位に終わっている。「長い中断期間にトレーニングした後の1試合目で勝つか負けるかは、やってきたことが出る。厳しい試合でしたが、どちらが勝ってもおかしくない試合で勝ちを取ることができたのは、やってきた成果」と勝利を評した伊東は、「ここから、どの試合も甘くない。自分たちは強いチームじゃない。もう何年も後半戦で失速しているので、一戦一戦をしっかり戦っていきたい」と今後を見据えた。

 さらに、2018年以来となるJ2復帰に向けて必要なことを問われると「きれいな言葉になってしまうかもしれませんが、ハードワークとチーム一丸」とコメント。「チームが一つになって、交代選手も、いまメンバーに入っていない選手も、みんな出る準備をしています。全員でトレーニングから試合まで戦っていくこと」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英