上写真=鳥取での初得点に向けて練習を重ねている谷尾(写真◎石倉利英)
「何とか結果を残したい」
「自分が高校生だった頃を思い出して、結果を楽しみにしていました。決勝まで勝ち上がったときは、優勝すると思いましたね。そうなったら抜かれちゃうな、とも思ったんですけど」
谷尾は冗談を交えながら、母校の快進撃を振り返った。先日まで開催されていたインターハイで母校の米子北高(鳥取)が、当時2年生の谷尾が得点王を獲得する活躍でチームを引っ張った2009年以来、12年ぶりの決勝進出。12年前は前橋育英高(群馬)に0-2で敗れており、後輩たちに雪辱を託したが、延長の末に青森山田高(青森)に敗れ、日本一には届かなかった。
それでも「すごく刺激になった」という準優勝に負けないよう、自身もリーグ戦に備えている。7月上旬の第15節を最後に中断期間に入っていた明治安田生命J3リーグが、8月28日の第16節から再開。前半戦終了時点で最下位の鳥取は、一つでも上の順位に浮上すべく再スタートを切る。
前半戦は7試合に出場して無得点。ヴァンラーレ八戸から完全移籍で加入した昨季後半、さらに2013年途中から14年途中までプレーした時代も含め、いまだに鳥取の選手として得点を決めたことがない。「何とか結果を残したい」という思いは日々強くなっている。
同じFW出身の金鍾成監督からは、守備のスイッチを入れることや前線でのポストワークを求められており、「自分がどれだけボールを収めて、チームの攻撃の選択肢を増やせるか」がポイントの一つだと語る。その上で「その後にシュートを決めるか、決めないかは自分次第。どうやって、そこまで持ち込むかも含めて突き詰めていきたい」とプレーのイメージを描く。
28日はホームでロアッソ熊本と対戦する。チームメイトに促され、中断期間限定で伸ばしているヒゲは、試合日には剃るつもりだ。「自分が結果を残せば、チームの順位も上がる。こだわってやっていきたい」との思いを胸に、ゴールと勝利を追い求めて後半戦に臨む。
取材・写真◎石倉利英