ガイナーレ鳥取MF可児壮隆が、苦しい状況を何とか乗り越えようと懸命だ。アスルクラロ沼津に敗れ、依然として最下位。失点がかさみ、良い時間帯も続かない悪循環だが、現状を打破すべく力を振り絞っている。

上写真=41分にエリア内左サイドからシュートを放った可児だが、GKのセーブに阻まれた(写真◎石倉利英)

■2021年7月3日 J3リーグ第14節(@Axis:観衆866人)
鳥取 1-4 沼津
得点:(鳥)秋山大地
    (沼)佐藤尚輝、藤嵜智貴、渡邉りょう、安在達弥

「僕たちの甘さが出ている」

 7月3日の明治安田生命J3リーグ第14節で、沼津とホームで対戦した鳥取は、立ち上がりの5分に失点。その後もピンチがあったが何とかしのぎ、徐々にゴールに迫るシーンを増やした。「ラインの間でパスを受けて、間のポジションを共有していくところはチームとして意識していた」という可児も、41分にエリア内左から鋭いシュートを放ち、沼津GK大友竜輔に阻まれたものの、反撃ムードを作って前半を終えた。

 しかし、後半も立ち上がりの50分に失点すると、立て続けに51分にも失点して0-3。追撃態勢を維持できずに突き放され、可児も「出ている選手は誰も手を抜いているとは思いませんが、後半の立ち上がりに力の抜けたところがあったので、2失点してしまった」と厳しい表情で振り返った。

 67分にMF秋山大地が決めて1点を返し、流れを引き寄せるかと思われたが、72分に自陣で可児がボールを奪われたところからカウンターを浴び、決定的な4失点目。良い時間帯が長く続かない状態を、可児は「僕たちの甘さが出ていると思う。具体的なところはすぐには見つかりませんが、攻撃・守備ともに、全体的に甘い部分があるのが原因だと思います」と分析した。

 開幕からの成績不振を受けて第7節終了後に髙木理己前監督を解任したものの、金鍾成監督就任後もリーグ戦は1分け5敗の未勝利。依然として最下位(15位)で、13試合で10得点はリーグ最少、29失点はリーグ最多と、すべてにおいて結果が出ていない。それでも可児は「まず、球際や走ることなどの根本的なところを大事にしつつ、いま勝てていないので、どうしてもネガティブになりがちですが、そこを突き破っていくしかない」と現状打破への悲壮な決意を口にした。

現地取材・写真◎石倉利英