上写真＝攻守両面で4試合ぶりの勝利に貢献した藤嵜（写真◎石倉利英）
■2021年7月3日 J3リーグ第14節（@Axis:観衆866人）
鳥取 1-4 沼津
得点：（鳥）秋山大地
（沼）佐藤尚輝、藤嵜智貴、渡邉りょう、安在達弥
大雨被害の地元に「少しでも明るいニュースを」
「コーナーキックで前半から、他の選手にですが、何本か良いタイミングでボールが入っていたので、僕にもチャンスがあると思っていました。良いボールが来て、良いタイミングで、うまく当てることができた。気持ちいいゴールでした」
試合後のオンライン会見で、充実の表情でゴールシーンを振り返った。7月3日の明治安田生命J3リーグ第14節・ガイナーレ鳥取戦の50分。MF徳永晃太郎の右CKを、早いタイミングでジャンプしてマーカーの上からヘッドでたたき込み、今季初得点で2-0とした。
沼津は前半、立ち上がりの5分に先制したが、リードを広げることはできず、前半の終盤にはピンチもあった。「早いタイミングで先制点を取れましたが、その後に追加点のチャンスがありながらも、相手の守備に阻まれていた」と語った藤嵜は「後半、相手が前から来るのはチームとしても意識していて、どう主導権を握るかというところで、追加点は大事だと思っていた。セットプレーから取れてよかったです」と自身の得点を評した。
決めた後はチームメイトとともに、6月28日に第一子となる長女が誕生したばかりのDF後藤虹介を『ゆりかごポーズ』で祝福。直後の51分にも加点してリードを広げた沼津は、4-1で勝って連敗を3で止め、4試合ぶりの勝利をつかんでいる。
3-0とした後に1点を返され、流れが鳥取に傾きそうな時間帯があった。それでも「欲を言えば無失点で終われるのがよかったですが、3点取った後でも守りに入らず、自分たちのやりたいサッカー、ボールを握ることをチーム全体で意識した中での、ミスからの失点だった」と分析し、「悔やまれはしますが、みんなでチャレンジしようとしたので、仕方ないと思う。次にそういうミスがないようにやっていければ」と前向きに捉えている。
試合前の集合写真撮影時には、大雨で大きな被害に見舞われているホームタウンの沼津市など、静岡県東部および県全体に激励のメッセージを送った。「試合前から各々がSNSやインターネットで情報を見ていたと思いますが、もう1回、試合前にキャプテン（MF菅井拓也）が『被害に遭われた方々がいる中で、僕たちが勝って少しでも明るいニュースを届けられたら』と話して、みんなで（ロッカールームを）出ていった」と明かし、「勝つことができて、少しでも明るいニュースを届けられたと思うので、よかったです」と勝利を喜んだ。
今季チームで唯一、開幕からフルタイム出場を続け、守備陣をリードしている。「（前節まで）負けは続いていましたが、僕たちのやりたいサッカーは徐々にできていて、今日も最後までできた」と内容と結果に手応えをつかみ、「少しでも良い形で中断期間に入れるように、チームとして意識していきたい」と、東京五輪による中断前最後の一戦となる次節を見据えていた。
現地取材・写真◎石倉利英