ガイナーレ鳥取FW谷尾昂也が、鳥取での初ゴールへの意気込みを新たにしている。かつてのチームメイトに決定機を阻まれた前節を経て、チームの起爆剤と連敗脱出につながる結果をつかみ取るつもりだ。

上写真=72分から交代出場した富山戦。谷尾はゴールに迫るシーンもあったが無得点に終わった(写真◎石倉利英)

鳥取では依然ノーゴール

 5月30日の明治安田生命J3リーグ第9節、カターレ富山戦の後半アディショナルタイムだった。0-3とリードされ、何とか1点でも返したい鳥取は、MF安藤一哉が右サイドからエリア内へロングパス。走り込んだ谷尾が至近距離から右足で狙う決定機を迎えた。

「ゴールは目の前だし、決めることができると思った」と振り返る谷尾のシュートはしかし、懸命に戻ってきた富山DF林堂眞のスライディングタックルに阻まれた。2人は2013年、谷尾は川崎フロンターレから、林堂はヴァンフォーレ甲府から、シーズン途中に期限付き移籍で鳥取に加入し、J2残留争いを戦った元チームメイト。決定機を逃した鳥取はそのまま0-3で敗れ、第7節に続く2連敗となった(第8節は試合なし)。

 14年に鳥取に完全移籍するも、シーズン途中に期限付き移籍で退団。それから複数のクラブを渡り歩き、昨季途中に再度、完全移籍で加入して6年ぶりに鳥取に復帰した。だが無得点に終わり、今季も第9節まで無得点。13年と14年も無得点で、鳥取の選手として、まだゴールを決めたことがない。

 第7節終了後に就任した金鍾成監督には「一番は得点のことで、ゴール前で相手を背負ってパスを受けるだけでなく、そこから前を向いて、少し外してシュートを打て、といったことを言われている」という。鳥取での初ゴールに向けて「立ち位置やポジショニングを考えて、ファーストタッチで前を向いてシュート、というシーンを増やしていきたい」と懸命だ。

 富山戦は新監督就任後初のリーグ戦だったが、チームも自身も結果を残せず、「チャンスをもらっているのに決めることができないと、ポジション争いで、はじき出されてしまう」との危機感を強めている。「1本取れれば、どんどん取れると思う。チームのために結果が欲しい」との思いで6月5日、Y.S.C.C.横浜とアウェーで対戦する次節、連敗脱出への初ゴールを狙う。

取材・写真◎石倉利英