湘南ベルマーレからの期限付き移籍で加入したものの、ここまで出場機会がないガイナーレ鳥取MF横川旦陽。チームのピンチである監督交代を自らのチャンスに変えて、J2昇格の力になる決意を新たにしている。

上写真=出場機会をつかむために練習に励む横川(写真◎石倉利英)

「コツコツやっていく」

 湘南U-18から今季、トップチームに昇格した横川は、同時に鳥取へ期限付き移籍。複数のポジションでプレーできることや、走力などの持ち味を生かし、Jリーグデビューから多くの出場機会をつかむことを目指したが、明治安田生命J3リーグ第7節を終えて出場はおろか、ベンチ入りすら果たせていない。

 厳しい状況を「最初の頃は『何でだよ』という気持ちがあった」と振り返るが、「大事なのは自分に矢印を向けること。自分に足りないものがあるから、試合に出ることができていないだけだと気付くことができた」という。現在は「目指していく気持ちは間違っていない」との思いを胸に、自らの力を高めることに注力している。

 開幕から2勝1分け4敗と勝ち点を伸ばせなかった鳥取は、第7節終了後に髙木理己前監督が解任され、金鍾成(キン・ジョンソン)新監督が就任した。2013年以来となるJ2復帰を目指すチームにとって監督交代はピンチだが、横川にとっては状況を好転させるチャンスだ。

 全15チームで争われている今季のJ3は、1節に1チームは試合がなく、鳥取は第8節が試合なし。次のリーグ戦は5月30日の第9節で、現在は中断期間のような時期となっている。「いまは土台をしっかり作る時期」と語る横川は、一方で「もちろん、中断明けから試合に絡んでいくために一所懸命やっている」と意気込む。さらに「そのためには、練習試合や練習で目に見える、分かりやすい結果を出すことが大事。体づくりや生活のリズムなど、日々を大切にしていこうと考えている」とレベルアップに励む。

 今季のJ3は全28節で、4分の1を消化した。「少し焦りもありますが、まだリーグ戦は4分の3残っているので、チャンスはあると思う」と語る横川は、「最後に昇格するときにチームの力になれたらいいと思っているので、コツコツやっていく」と日々の成長を誓った。

取材・写真◎石倉利英