ガイナーレ鳥取の金鍾成(キン・ジョンソン)新監督の就任会見が行なわれた。開幕からの成績不振による前監督の解任を受け、チームの再建を託された新指揮官は、今後への決意や、鳥取県とのつながりなどについて語っている。

上写真=会見後にチュウブYAJINスタジアムのピッチをバックに記念撮影が行なわれた。左から塚野真樹・代表取締役社長、金鍾成監督、岡野雅行・代表取締役ゼネラルマネジャー(写真◎石倉利英)

打診翌日に就任を受諾

 2013年以来となるJ2復帰を目指している鳥取は、今季の明治安田生命J3リーグで7試合を終えて2勝1分け4敗。15チーム中12位という成績不振を受けて、5月6日に髙木理己監督の解任が発表された。10日に就任が発表された金鍾成新監督は、2016年から18年までFC琉球、19年と昨季は鹿児島ユナイテッドFCで指揮を執り、18年には琉球をJ2昇格に導いている。

 練習拠点としている鳥取県米子市のチュウブYAJINスタジアムで行なわれた会見には、塚野真樹・代表取締役社長と岡野雅行・代表取締役ゼネラルマネジャー(GM)も同席し、塚野社長から就任への経緯が語られた。5月2日の第7節でヴァンラーレ八戸に0-2で敗れた後、4日に髙木前監督に解任が告げられ、後任候補をリストアップ。6日夜に金鍾成氏とコンタクトを取り、7日に岡野GMが東京都内で会って監督就任を打診すると、8日朝に受諾すると返答があったという。

 直接会って交渉した岡野GMは「選手たちがピッチ上で躍動している姿を見ると、私たちもうれしい。それを作っていただける監督」と期待を寄せた。多くのサッカー関係者に『良い選択だと思う』と言われたという岡野GMは、「次の日に連絡が来て、快く引き受けてくれたのがうれしかった」と喜びを語っている。

 金鍾成新監督は「鳥取の皆さん、こんにちは。新しくガイナーレ鳥取の監督に就任した金鍾成です。よろしくお願いします」と力強くあいさつ。「私は現場人だと思っていますので、1日でも早く、1日でも長く、現場でサッカーをしたかった。途中から監督を受けるのは初めてで、いろいろな難しさや混乱、判断があったと思いますが、そのあたりは、あとでお互いどうにかやっていけばいいと思い、岡野GMとお会いして、やっていこうと決意が固まりました」と就任までの思いを語った。

 さらに「いま就任したから、これからということではなく、シーズンの初めも監督として自分のものと受け止めて、選手たちも自分たちの責任を受け止めて、やっていきたい」とコメント。「いろいろなことが大事ですが、勝つことが一番大事だと思っています。そのためにチームとして、どんなやり方をするかも大事ですが、結果を出していくことが大事なので、そこにしっかりコミットしていきたい」と抱負を述べた。