11月18日、明治安田生命J3リーグ第28節が開催された。パナソニックスタジアム吹田ではガンバ大阪U-23とブラウブリッツ秋田が対戦。敵地に乗り込んだ秋田が中村亮太の2発でG大阪23を下し、28戦無敗で悲願のJ2昇格を決め、2度目のJ3優勝を達成した。

上写真=見事、無敗で優勝を飾ったブラウブリッツ秋田(写真◎J.LEAGUE)

■2020年11月18日 J3リーグ第28節(@パナスタ/観衆480人)
G大阪23 0-2 秋田
得点:(秋)中村亮太2

・G大阪23メンバー:GKイ・ユノ、DF當麻颯、荻野元伸、タビナス・ジェファーソン、シン・ウォノ(71分:山口竜弥)、MF平川拓斗(71分:松田陸)、菅野隆星、高木大輔、FW中村仁郎、坂本一彩、村上景司

・秋田メンバー:GK田中雄大、DF鈴木準弥、千田海人、韓浩康、青島拓馬(66分:茂平)、MF輪笠祐士、江口直生、山田尚幸(79分:下澤悠太)、井上直輝(66分:田中直基)、FW久富賢(71分:沖野将基)、中村亮太(71分:林容平)

磁石が鉄をひきつける! 気持ちが勝利をひきつける!(吉田監督)

 J3を無敗で走ってきた自信だろうか。歴史の扉を開く大一番でも、秋田の選手たちに緊張感は感じられなかった。チーム得点王の中村亮太が前半34分に先制。後半60分に加点。理想的な展開で2点のリードを奪うと、終盤にはG大阪23の猛攻を受けたものの、28試合で8失点しか喫していない自慢の堅守でゴールに鍵をかけ続けた。

 アディショナルタイムの4分間にも危ない場面は訪れた。だが、GK田中の好守もあってゴールを許さず。歓喜の瞬間は、当然のように訪れた。

「全員で走った結果だと思います。磁石は鉄をひきつける! 選手の気持ちが勝利をひきつけると思います!!」

 今シーズンからチームを率いる吉田謙監督は、言った。チーム一丸となって走ってきた結果が、このJ2昇格だった。

 2017年に秋田はJ3優勝を果たしていた。しかし、J2クラブライセンスを持たなかったため、昇格を果たせず、翌年もJ3リーグで戦うことになった。あれから3年、あのとき感じた悔しさを胸に戦ってきた選手、スタッフは多い。この日の先発にも、2017年の優勝とJ3残留を知るメンバーが、千田、韓、青島、江口、山田、久富と6人が名を連ねていた。

 他会場で行なわれていた長野対鳥取で鳥取が勝利を収めたため、J3優勝も同時に決まった。21試合目の無失点、28戦無敗という歴史を創っての優勝、昇格だ。

「秋田の皆さま、日ごろから選手、クラブを支えていただき、本当にありがとうございます。選手はひたむきに全力でプレーしてくれました。その積み上げが素晴らしい結果になったと思います。これからも地域の皆様のために、なくてはならないクラブになるために、そして選手になるために努力を続けていきたいと思います。本当にありがとうございました」

 フラッシュインタビュー同様、吉田監督は試合後の会見でも地域とファン・サポーターへの感謝を繰り返した。ひたむき、常に全力で、チームのために、ファン・サポーターのために、ひいては秋田のために、これからも戦うと誓った。J3の残り試合にも、J2の舞台でも。熱い指揮官と熱い選手たちの物語のクライマックスは、まだまだこれから。昇格と優勝を果たし、次は無敗でシーズンを終える偉業に挑む。