浦和レッズから期限付き移籍中のガイナーレ鳥取DF大城蛍が、Jリーグデビューを果たした。公式記録で1分間、ボールタッチも1回のみだったが、積み上げてきた成果を胸に、先発出場に向けて意気込んでいる。

上写真=初出場翌日の10月26日、次節の先発出場に向けて練習に励む大城(写真◎石倉利英)

広島戦の大敗を教訓に

「ボールに1回触りました。ガンバ大阪U-23戦に向けた週からコンディションも良く、アピールできていたので、評価してもらえたと思います。やり続けてきてよかった」

 ガイナーレ鳥取DF大城蛍は、Jリーグデビューを果たした一戦を静かに振り返った。10月25日の明治安田生命J3リーグ第23節、藤枝MYFCの90+3分に途中出場。直前に勝ち越し点を奪って2-1とリードした状況で、守備を固める狙いで投入され、公式記録で1分間のプレーで4試合ぶりの勝利に貢献した。

 浦和レッズからの育成型期限付き移籍で加入した今季、開幕からベンチ入りもできない苦しい状況が続いていた。だが10月18日の第22節、G大阪U-23戦で初めてのベンチ入り。出場機会はなかったものの、まずは一歩を踏み出し、次の試合での2試合連続ベンチ入りからのJリーグデビューにつなげた。

 分岐点は、9月28日のサンフレッチェ広島との練習試合だったという。前日のFC今治戦に先発した選手以外で臨んだ試合にフル出場したが、前半だけで5失点を喫するなど守備が崩壊し、0-6で大敗。試合後は「アピールしたかったですが、なかなかうまくいかなかった」と悔しさをかみ締めていた。

 だが、この試合で広島FW永井龍への対応に苦慮したことを教訓に、ボールを奪いにいく際のアプローチを変えた。それによって「周りの味方をカバーするなど、全体を見ることができるようになった。視野が広くなって、プレーも安定してきた」という感覚を練習で磨き上げ、出場機会をつかんだ。

 とはいえ「まだ1試合、途中から出ただけ。ここまで来たらスタメンで出たい」と意気込む。「藤枝戦もスタメンを狙っていました。積み上げてきたものがあるので、信頼を損なうことなく、練習から引き締めてプレーしていきたい」と力強く語り、10月31日の次節、セレッソ大阪U-23戦での初先発と、J2昇格を狙うシーズン終盤でのチームへの貢献を期していた。

取材・写真◎石倉利英