9月12日のアスルクラロ沼津戦で決勝点を挙げた、ガイナーレ鳥取FWフェルナンジーニョ。チームを勝利に導いた39歳のベテランは、自身の経験への自信を胸に、首位のブラウブリッツ秋田と激突する次節を見据える。

上写真=決勝ゴールとなる今季2点目を決めたフェルナンジーニョ(写真◎石倉利英)

■2020年9月12日 J3リーグ第15節(@Axis:観衆886人)
鳥取 1-0 沼津
得点:(鳥)フェルナンジーニョ
    (沼)なし

「自分が打つしかない」

 9月12日の明治安田生命J3リーグ第15節で、ガイナーレ鳥取はアスルクラロ沼津を1-0で下した。6日の前節、いわてグルージャ盛岡に0-2で敗れた黒星を引きずらず、FWフェルナンジーニョも「前節ああいった形で負けてしまい、非常に難しい状況で、連敗をしないことが何より大切だった。今日も最高点の試合ではなかったですが、勝てたことは非常によかった」と振り返っている。

 前半アディショナルタイムの決勝点は、相手のミスパスがフェルナンジーニョに渡り、そのままドリブルで持ち込んで決めたもの。「ボールを持った後にスピードを上げて周りを見たら、大久保優選手が前にいたのでパスを出そうと思ったが、動き出しが違う方向になってしまった」ことでプレーを変え、「自分がそのまま運んでシュートを打つしかない」というフィニッシュでネットを揺らしている。
 
 8月29日の第12節で交代出場、9月2日の第13節で先発出場し、3連戦となった6日の岩手戦は疲労を考慮して登録メンバーから外れていた。今年1月に39歳となったベテランは、流れをつかめないまま敗れた一戦を映像で見て「今年のチームは若い選手が多く、プレーする上では経験のある選手が絶対に必要だと考えている。自分が周りから信頼されていることは分かっているので、ボールを収めることで、他の選手が時間をもっとうまく使うことができる」という思いで沼津戦のピッチに立ったという。

 この日は決定機でシュートが枠を捉えないシーンもあったが、相変わらずの技術の高さで多くのチャンスに絡んだ。今後に向けて「全試合に出られるように、自分がチームを助けられるようにやっていきたい。若くて力があるチームなのはよいことですが、バランスが取れたサッカーをするためには、経験がある自分のような選手が必要」と強烈な自負をのぞかせている。

 この日の勝利で3位をキープし、次節はアウェーでブラウブリッツ秋田と対戦する。前節終了時点で10勝3分け、いまだ無敗で首位を走る相手との直接対決は、勝ち点差を縮める大きなチャンス。フェルナンジーニョは「敵地で勝てるように準備していきたい。モチベーションは十分です」と闘志を燃やす。

 髙木理己監督は「まだまだ、こんなもんじゃない、フェルナンジーニョのクオリティーはもっとすごいぞ、ということを秋田戦でお見せできるように、いい競争をしていきたい」とコメント。「勝つことができれば自信になる。その後も見据えて、絶対に勝たなければいけない一戦」と語るフェルナンジーニョも、期待に応える決意を示した。

現地取材・写真◎石倉利英