ベガルタ仙台からアスルクラロ沼津に期限付き移籍したDF照山颯人が、新天地でJリーグデビューを飾った。ガイナーレ鳥取に敗れた一戦で収穫と課題を得て、さらなる成長を期している。

上写真=沼津でのデビュー戦に臨んだ照山(中央、写真◎石倉利英)

■2020年9月12日 J3リーグ第15節(@Axis:観衆886人)
鳥取 1-0 沼津
得点:(鳥)フェルナンジーニョ
    (沼)なし

育成型期限付き移籍で加入

 成立学園高(東京)から2019年にベガルタ仙台に加入したDF照山颯人は、9月4日にアスルクラロ沼津への育成型期限付き移籍が発表された。さっそく12日の明治安田生命J3リーグ第15節、ガイナーレ鳥取戦で先発出場している。

 仙台では2シーズンでルヴァンカップ8試合に出場しているが、リーグ戦出場はなく、この日は新天地での初陣であると同時に、Jリーグデビュー戦。CBの一角でフル出場した試合後のオンライン取材では「ルヴァンカップとは、また違う雰囲気を感じることができた。ルヴァンカップで経験したプレースピードなどを踏まえて、自分としては落ち着いてプレーできたかなと思います」と振り返った。

 今井雅隆監督が就任した今季の沼津は、ボールポゼッションを重視したプレースタイルを推し進めている。「ガイナーレ鳥取さんが前から押し込んでくるので、自分としてはもう少し、ゴールキーパーからも(ビルドアップの形を)作りたかったな、というのが正直なところ」と語った照山は、ロングパスも多く使った点について「リスクも考えて、ああいう選択をした。セカンドボールをクリアするのではなく、味方につなぐことを意識していました」と狙いを明かした。

 ただ、チームは0-1で敗戦。前半終了間際の失点は中盤でのパスミスから攻め込まれたもので、照山は鳥取FWフェルナンジーニョのドリブル突破に下がりながら対応したものの、最後の瞬間のタックルが間に合わず右足で蹴り込まれた。攻撃陣は後半にゴール前でのチャンスも多くあったが無得点。加入前から沼津の試合をチェックしていたという照山は「攻守において最後の局面のところで仕事ができるようにならないと、試合には勝てないと思う。失点シーンもそうですが、自分も含めて、最後の局面のところで仕事ができればよかった」と反省点を挙げた。

 この敗戦で沼津は暫定14位に後退した。浮上に導く活躍が期待される照山は「これからのJ3全試合に出場することが目標。なるべく多くの勝ち点と経験を積んで、自分の糧にできればいいと思います」と語り、苦戦が続くチームへの貢献を誓った。

現地取材・写真◎石倉利英