ガイナーレ鳥取MF小林智光が、チームへの貢献を渇望している。負傷から復帰したものの、今季出場は1試合のみ。それでも、ただ試合に出ることだけに満足せず、そこで何ができるかに意識を向けている。

上写真=全体練習に復帰し、鋭い動きを見せている小林(写真◎石倉利英)

開幕直前に負傷して離脱

 練習場で見せるプレーに、コンディションの良さが表れていた。ガイナーレ鳥取MF小林智光は、8月19日の練習でのミニゲームで鮮やかな右足ミドルシュートを決めるなど、持ち味の攻撃力を発揮。「コンディションは良い感じです。痛いところもない」と語る表情は充実感に満ちている。

 活動休止期間から練習再開を経て準備を進めていたが、開幕を約1週間後に控えた時期に左足を負傷。「それまでは完璧に近いコンディションでしたが、ケガをして、もちろんコンディションは落ちた」と振り返る状態からの復帰には時間がかかり、なかなか全体練習に合流できなかった。

 それでも「ベストの状態は分かっていたので、徐々に戻していった」というリハビリを経て復帰。8月9日の明治安田生命J3リーグ第9節、ヴァンラーレ八戸戦で今季初めてベンチ入りし、初出場を果たしている。

 八戸戦は0-1とリードされていた60分からの出場で得点に絡む働きを期待され、右サイドで前への推進力を見せたシーンもあったが、そのまま0-1で敗れた。福島ユナイテッドFCと対戦した第10節も続けてベンチ入りしたものの、出場機会はなく、今季ここまで1試合の出場にとどまっている。

 昨季から負傷離脱した時期が長く、そうなると試合に出ることがゴールになりかねないが、本人の考えは違う。「試合に出ないと選手としての価値は上がらない」と語りつつ、「試合に出るというよりは、試合に出て、何ができるか、何をするか。それを考えてやらなければいけない」と言葉に力を込める。

「ウチの前線の選手は誰が出ても、ゴール前でのクオリティーが高い。裏への走り込み、足元へのパス、クロスなどに対応してくれるので、そこへのパスで絡んでいきたい」

 得点に直結するプレーで勝利に貢献し、チーム内での存在感を増していきたい思いを強めている。

現地取材・写真◎石倉利英