上写真＝守備陣の要として完封勝利に貢献した井上（写真◎石倉利英）
■2020年8月15日 J3リーグ第10節（@Axis:観衆814人）
鳥取 2-0 福島
得点：（鳥）可児壮隆、大久保優
（福）なし
押し込まれるも完封
前節はアウェーでヴァンラーレ八戸に敗れ、連敗は避けたかったガイナーレ鳥取が、福島ユナイテッドFCを2-0で下した。3バックの中央で最終ラインを統率したDF井上黎生人は「後半はボールを持たれる時間が長かったですが、最後の部分では体を張って守れたと思います」と試合展開を振り返った。
守備のメインテーマは明確で、福島の今季12得点のうち6得点をたたき出し、前節はカマタマーレ讃岐を相手にハットトリックを達成しているFWイスマイラを、どのように抑えるか。「イスマイラ選手はスピード、高さがあるので、チャレンジ＆カバーはディフェンスラインの3人で共通認識を持って、今週ずっと練習きた」と語る対策を施してもなお、危ないシーンは何度かあったが、「成果が出たと思います。よく守れました」と胸を張った。
1-0で迎えた試合終盤はボール支配率で上回られ、苦しい時間帯が続いた。井上も「ああいう形になると、軽率なミスで失点してしまうことが多い」と危ない状況だったと認めつつ、「そういう時間帯があることは分かっていたので、みんなが割り切ってやることができた」と粘りのプレーについてコメントした。
この日の勝利で7勝1分け2敗、単独2位に浮上した鳥取だが、前半のうちにリードを奪ったのは第3節の鹿児島ユナイテッドFC戦だけ。この日のように終盤まで0-0や1点差で競り合う試合が多く、ある程度の余裕を持ってプレーできた試合は、ほとんどない。
「できれば前半のうちに得点して、楽な試合運びをしたい」と笑った井上だが、すぐに表情を引き締めて「相手も全力でやっているので難しい。ディフェンスは粘り強く守ることを、今後も継続してやっていきたい」ときっぱり。守備の要として、どんなときでも無失点に向けて相手に立ちはだかる覚悟を口にした。
現地取材・写真◎石倉利英