8月2日のJ3リーグ第8節でガイナーレ鳥取はカターレ富山を2-0で下し、3試合ぶりの完封勝利。GK田尻健は守備全体を引き締めて勝利につなげ、若手の攻撃陣が躍動するチームを引っ張っている。

上写真=開幕から8試合連続の先発出場となった田尻(写真◎GAINARE TOTTORI)

声掛けで立ち上がりを意識

 ガイナーレ鳥取は第3節から4連勝を飾った後、第7節でロアッソ熊本と引き分け。そこから中3日で行なわれたカターレ富山戦は終盤まで0-0の拮抗した展開となったが、86分と後半アディショナルタイムの得点で2-0の勝利を収めている。

 GK田尻健は試合後、「前節、熊本と引き分けて連勝が止まり、課題も見つかった。序盤に失点してしまったことなどの課題を意識して、実行できました。後ろの選手としては、無失点で勝ててよかった」と安堵の表情を浮かべた。熊本戦は4分、前々節のFC今治戦は12分と、立ち上がりに失点。それを受けて田尻も「試合が始まる前に『立ち上がりから集中して』と。いつも声を掛けていることですが、今回はいつも以上に、最終ラインの3人を中心に声掛けをしました」という意識で臨み、3試合ぶりの無失点につなげた。

 鳥取は8節まで無得点の試合は一つもなく、リーグ5位タイの14得点を挙げている。「前線の選手がゴールを決めてくれるので、後ろの選手としては守りがいがある」と語る田尻は、試合終盤に攻撃が活性化した富山戦も「あのように、後半の最後になっても僕たちの攻撃の勢いは落ちない。じれずにプレーできた」という。だからこそ、86分のMF坂井大将の先制点は「すごくうれしかった」と笑顔で振り返った。

 その坂井やMF新井光など、J1クラブから期限付き移籍中の選手や、富山戦でプロ初ゴールとなる2点目を決めた大卒1年目のMF安藤一哉、高卒1年目で3得点を挙げているFW田口裕也など、今季の鳥取は20歳代前半までの若い選手が攻撃で力を発揮している。田尻自身も27歳でベテランではないものの、これら若手のプレーを「良い意味で伸び伸びやってくれている」と評し、「前線の選手が攻撃にベクトルを向けられるように、後ろの選手は90分間を通して守り切る。前線に若い選手が多いぶん、それを意識できていることはポジティブに捉えています」と、後ろを守る意識についてコメントした。

 次節は8月9日、ヴァンラーレ八戸とアウェーで対戦する。キックオフは13時で、天候次第では暑さも勝敗を左右するポイントになりそうだ。「これまではナイトゲームでしたが、夏に13時開始という、みんなあまり経験したことがないような時間の試合」と田尻は気にしつつ、「どういう展開になるか分かりませんが、昼だからといって戦い方を変えることはない。富山戦で出た課題や収穫を1週間で詰めて、八戸に持っていきたい」と、再び連勝すべく強い意気込みを見せた。

現地取材◎石倉利英 写真◎GAINARE TOTTORI