FC今治は7月25日の明治安田生命J3リーグ第6節でガイナーレ鳥取に敗れ、連勝が2でストップ。MF楠美圭史は試合後に悔しさをにじませつつ、敗戦を引きずらず次に向かう決意を示した。

上写真=中盤で奮闘した楠美だが、チームの勝利にはつながらず(写真◎石倉利英)

ハンドの反則でPKを与える

 7月25日のガイナーレ鳥取戦に1-2で敗れた後、MF楠美圭史は「内容は負けるような試合ではなかったと思います」と悔しさをにじませた。FC今治は12分に先制したものの、前半のうちに追い付かれた後のチャンスを決められず、後半にも失点して逆転負けを喫した。

「悔やむべきところがあるとすれば、チャンスを決められなかったところ」と語ったように、特に1-1で迎えた前半の終盤から後半立ち上がりに、多くの決定機があったのが、勝敗の分かれ目となった。MF玉城峻吾のシュートがクロスバーに当たったり、FW桑島良汰がフリーで狙ったヘッドが左に外れたり。「そのほかの部分では相手よりもゴールに迫っていたし、相手よりもペナルティーエリア内に入ったし、相手よりも戦っていた」と振り返った楠美は、もう一度「負けるような試合ではなかったと思います。すごく悔しいです」と吐露した。

 59分の鳥取の逆転ゴールは、楠美がハンドリングの反則を取られ、PKを決められた。相手のセンタリングをブロックした次の瞬間に主審の笛が鳴ると、楠美は右の鎖骨あたりに手をやりながら猛抗議。試合後に判定について「納得できるような状況ではない」と語った楠美だが、「こういうことは起こると思う。今日は自分たちの方に転ばなかったことが多かったですが、シーズンを長く戦っていれば、僕たちの方に転ぶこともある」と努めて冷静にコメント。「試合が終わってからレフェリーに対して言うのは、正しいことではないと思う。すぐに次の試合があるので、切り替えなければいけない」と続けた。

 今治は第4節、アウェーでカマタマーレ讃岐を3-0で下してJ3リーグ昇格後の初勝利を飾ると、第5節ではホームでセレッソ大阪U-23に1-0で勝利。連勝は2でストップしたものの、楠美は「何かを変える必要は全くないと思う。チームがやっていること、進むべき、進んでいる道は全く間違っていない」と、現在の方向性に強い自信をのぞかせた。
 
 さらに「今季J3に昇格して、勝てなかったという試合は1試合もなかった。最後のフィニッシュの部分は、どのチームでも大事なので、そこを突き詰めていくだけ。チームに嫌な流れはチームにないので、決して下を向かず、次に向かっていく」ときっぱり。アウェーでガンバ大阪U-23と対戦する、7月29日の第7節に視線を向けていた。

現地取材・写真◎石倉利英