カマタマーレ讃岐は7月19日のJ3リーグ第5節でガイナーレ鳥取に敗れ、今季1分け4敗と未勝利が続く。勝運にも見放されたかのような敗戦を受けて、望月一仁監督が初勝利への収穫と課題について語った。

上写真=約1年4カ月ぶりの先発となった西野。先発6人を入れ替えたが、またも勝利にはつながらず(写真◎石倉利英)

■2020年7月19日 J3リーグ第5節(@Axis:観衆765人)
鳥取 1-0 讃岐
得点:(鳥)坂井大将
    (讃)なし

「まだまだ力不足」

 試合後、オンラインで記者会見に臨んだカマタマーレ讃岐の望月一仁監督は「残念な結果になってしまいました。もう一度、自分たちのサッカーをやるしかない。頑張っていきたいと思います」と言葉を絞り出した。ガイナーレ鳥取に0-1で敗れ、開幕から1分け4敗。18チーム中16位だった順位は、さらに一つ下がって17位となり、今季未勝利は最下位のいわてグルージャ盛岡と2チームだけになった。
 
「セットプレーはチャンスがあると思っていた」と指揮官が語ったように、前半はセットプレーから多くの決定機があった。22分にはMF高木和正の右CKを、ゴール前にいたMF池谷友喜がヘッドで合わせるが、鳥取GK田尻健に防がれる。その流れから、エリア内でフリーの池谷にボールが渡り、右足で狙ったが、今度はクロスバーに当たって決まらない。

 35分にはFW重松健太郎の右からのFKを、DF西野貴治がヘッドで合わせたが、またも田尻のセーブに遭う。そのこぼれ球をMF森川裕基がヘッドで狙うも、鳥取DF上松瑛にゴールライン上でクリアされ、さらに、そのこぼれ球に池谷がダイビングヘッドで飛び込んだものの、今度は鳥取DF井上黎生人にゴールライン上でクリアされた。すべて決まっていてもおかしくない3本連続の決定機で、鳥取守備陣の奮闘があったとはいえ、勝運にも見放されたかのようなシーンだった。

 そうするうちに後半開始直後、わずか25秒で失点。右サイドで相手のクリアを処理し切れなかったところから、一気にゴール前までドリブルで運ばれ、それまでチャンスが少なかった相手に決められた。「後半が始まったばかりだったので、シンプルに外に出していれば」と指摘した望月監督は、「ああいうところが雑。試合の流れを切ることも大事」と細部のプレーに言及した。

 昨年3月の右足アキレス腱断裂から復帰後、約1年4カ月ぶりの先発出場となったDF西野、セレッソ大阪U-18から加入したルーキーで、プロ初のメンバー入りで即スタメンとなったMF下川太陽など、前節から先発6人を入れ替えた。望月監督は「3連戦だったので、コンディションの良い選手を使って流れを変えたいと思った。サイドから押し込むことは、かなりできたと思う」と手応えをつかんだ一方、0-1で敗れた結果を受けて「決定的な場面を決め切れないのは、まだまだ力不足」と厳しい。
 
 ロアッソ熊本とホームで対戦する次節に向けて、指揮官は「守備は少しずつ改善されてきていると思う」とした上で、「攻撃のところ、人の距離感など、全体のバランスを考えたサッカーができないと、もったいない」と続けた。再開後2試合目となるホームでの有観客試合、ファン・サポーターの前で浮上のきっかけとなる勝利をつかめるだろうか。

現地取材・写真◎石倉利英