7月5日の明治安田生命J3リーグ第2節で、FC岐阜はガイナーレ鳥取に3-2で勝利。先制点を決めたFW富樫佑太は加入1年目の昨季、シーズンのほとんどを負傷欠場しており、2年越しの加入後初得点を喜んだ。

上写真=15分、相手のミスを突いた富樫が無人のゴールに先制点を蹴り込む(写真◎J.LEAGUE)

■2020年7月5日 J3リーグ第2節(@Axis)
鳥取 2-3 岐阜
得点:(鳥)坂井大将2
    (岐)富樫佑太、粟飯原尚平、川西翔太

岐阜加入2年目で初得点

 思わぬ形でチャンスが転がり込んできた。15分、FC岐阜が敵陣でボールを奪ってカウンター。FW前田遼一のスペースへのパスは、やや長くなったように見えたが、エリア外に飛び出してきた鳥取GK田尻健がキックミスでクリアできず、走り込んでいたFW富樫佑太の目の前にボールが転がった。

「監督が求めているカウンターから、タイミング良く(前田にパスを)出してもらった。相手のミスもありましたが、ああいう形ができたのはよかった」。無人のゴールに素早く蹴り込んだ先制点は、FC今治との開幕戦で0-0の引き分けに終わっていたチームの今季初得点であり、富樫自身にとっては、2年越しの加入後初得点でもあった。
 
 昨季、FC琉球から完全移籍で加入。J2リーグ開幕から4試合に交代出場していた5月、練習中に右ヒザ前十字靭帯を損傷する大ケガを負い、復帰まで約8カ月と診断され、そのままシーズンを棒に振った。

「移籍してきて、これからというときにケガをしてしまい、全くサッカーができない状況を初めて経験しました。新型コロナウイルスのこともありましたが、サッカーができないところから、(できることが)当たり前じゃない、ということを実感した。今回、得点できたのは個人的には感慨深いものがありました」

 相手のミスによる『プレゼント』ではあったが、最後までボールを追っていた粘りが引き寄せたとも言える。本人も「1点は1点。得点した喜びは大きかった」と振り返る1点は、その後にチームが2-0から一度は追い付かれたとはいえ、最終的に今季初勝利を引き寄せる貴重なものとなった。

 今季の個人目標を「10得点・10アシスト」と語る。7月11日の次節はホームに戻ってのカマタマーレ讃岐戦。ファン・サポーターに向けて「いまはスタジアムに足を運べない状況ですが、また長良川で、たくさんの方が来ている様子を見たいですし、僕自身、長良川ではたくさんプレーできていない。今年はたくさんプレーして、たくさん得点に絡むプレーをしたい」と強い意気込みを示した。

現地取材◎石倉利英 写真◎J.LEAGUE