7月4日のFC今治戦で、プロ初ゴールとなる決勝点を挙げたロアッソ熊本FW髙橋利樹。今季、国士舘大から加入して居残り練習の成果を発揮したルーキーは、地元の人々に勇気を与える勝利を重ねることを誓う。

上写真=今治戦で決勝ゴールを挙げ、勝利に貢献した髙橋(写真◎石倉利英)

■2020年7月4日 J3リーグ第2節(@夢スタ)
今治 0-1 熊本
得点:(今)なし
   (熊)髙橋利樹

「熊本県民の方々に勇気を」

 FC今治のホームに乗り込んだ一戦、13分に挙げたプロ初ゴールが、ロアッソ熊本を開幕2連勝に導く決勝点となった。DF石川啓人の左からのセンタリングに合わせてニアサイドへ走り、相手DFの前に入って体を投げ出すようにヘッドで合わせると、ボールは逆サイドのネットへ。FW髙橋利樹は勝利につながった一撃を「立ち上がりは今治のペースだったので、何とか自分のゴールで流れを盛り返せれば、と思っていた。それで点を取れたのでよかったです」と振り返った。

「全体練習が終わった後に(石川)啓人に声を掛けて。あの形は特に練習していました。それが本番で得点になってよかった」と明かしたように、居残り練習の努力が実ったゴールだった。今季、国士舘大から加入し、開幕から2試合連続で先発。開幕戦はフル出場、この日も90分に交代で退くまで前線で体を張り、攻守両面で奮闘した。

 熊本は、前半はボール支配率で今治を圧倒したものの、後半は一転してボールを支配され、苦戦を強いられた。「ハーフタイムに『勝っているから、落ち着いてやろう』と話していましたが、基本的なパスミスなどで、押し込まれる展開につながったと思う」と分析する髙橋は、「自分がファーストディフェンダーとして、もっと積極的に行けば後ろもついてきてくれたと思う。もっと自分がはっきり行けばよかった」と守備面の課題を口にした。

 次節からはセレッソ大阪U-23、ガンバ大阪U-23とのホーム2連戦。熊本県が大雨で大きな被害を受けたことを踏まえ、髙橋は「試合前にニュースを見て、今日はアウェーですが、地元の皆さんに勝利を届けようと思っていた。来週はホームなので、熊本県民の方々に勇気を与えられれば」と決意を新たにしていた。

現地取材・写真◎石倉利英