6月27日に明治安田生命J3リーグが開幕し、Y.S.C.C.横浜はアウェーでSC相模原との『神奈川ダービー』を戦った。チャンスはあったがスコアレスドローに終わった一戦を終え、MF土館賢人は次戦へと気持ちを切り替えている。

上写真=今季開幕戦でもYS横浜の主軸としてプレーした土舘=前列左端(写真◎J.LEAGUE)

■2020年6月27日 J3リーグ第1節(@ギオンス)
相模原 0-0 YS横浜

・相模原メンバー◎GKビクトル、DF夛田凌輔、田村友、富澤清太郎、星広太、MF梅鉢貴秀、鹿沼直生、松田詠太郎(89分:上米良柊人)、清原翔平(60分:和田昌士)、FW三島康平(HT:ユーリ)、ホムロ(83分:才藤龍治)

・YS横浜メンバー◎GK大内一生、DF花房稔(28分:船橋勇真)、宗近慧、池ヶ谷颯斗(56分:植村友哉)、大泉和也、土館賢人、宮尾孝一、西山峻太(HT:音泉翔眞)、山本凌太郎(74分:吉田明生)、佐藤祐太、FW宮本拓弥(74分:オニエ・オゴチュクワ)

ピンチもあったが無失点

 昨季のYS横浜でチーム最多タイの34試合に出場した土舘は、3-4-2-1で臨んだこの日も宮尾孝一とともに中盤の底に入った。守備面では集中を切らさず、後方からの組み立てでは時に逆サイドのウイングバックへの大きな展開を狙うなど、勝利への道筋を探った。

 土館の後ろに控える3バックのうち、2人が新しく加わったDFだった。昨季は得点が増えたが失点も多く、「守備を改善しようということで、新加入の選手も加わり、安定感が出た」と土館。その2選手がともに負傷交代する不運も影響したのか、ゴール前にボールを送られる危険な場面もあったが、「相手のシュートが外れたり、運もよかったのですが、粘り強い守備ができたと思います」と、開幕戦の勝ち点1を前向きにとらえた。

 後ろの選手たちが頑張るだけではない。「プレスや守備の強度がいつもより足りなくて、今日は勝ち点3を逃したというイメージ」と土館は語るが、前線から連動した守備を見せる場面もあった。そうした姿勢と、とにかく無失点という結果に「次の試合に向けて、いい勝ち点1だったという試合になればいいなと思います」と明るく語った。

 グルージャ盛岡から加わった2018年に、それまでのプロ2年間とは違い、主力としてプレーした。続く昨季は34試合に出場するとともに、プロ初ゴールも挙げている。だが「PKの得点だけだったので、今年は流れの中から点を取りたいし、5アシスト以上はしたいと思っています」と自らへの期待をさらに高める。

「チームとしての連動したプレスや、最後にシュートまで持っていく精度を、また次の試合までに準備したい」と土館。上昇中の成長曲線に乗ったまま次節、今季初のホームゲームへと突き進む。

現地取材◎杉山孝 写真◎J.LEAGUE