Jリーグが帰ってくる。J1は7月4日から、J2とJ3は6月27日からリーグが再開(開幕)する。4か月間、待ち望んだ試合を前に、サッカーマガジンWEBも参加する「DAZN Jリーグ推進委員会」で、18媒体横断企画を実施した。全56クラブの選手・監督・関係者にインタビュー。「THIS IS MY CLUB - FOR RESTART WITH LOVE -」をテーマに話を聞いた。岐阜からは目の色が変わった中島賢星の登場。背番号も「8」となり、J2昇格に全身全霊をかける!

「パス」と「速攻」を融合させます!

6月20日に行なわれた名古屋との練習試合にも出場(写真◎Kaz Photography/FC GIFU)

ーーその岐阜について、2020年はどんな魅力があるでしょう。

中島 ピッチの中のことで言えば、大木さんが教えてくれたパスを回していくサッカーがあり、今年から指揮を執るゼムノビッチ監督が重きを置いている、奪ってすぐ攻めるというサッカーがあります。この、「つなぐところ」「チャンスだと思えばみんなが走っていって速攻を決めるところ」を融合させていきたいと思っています。

ーーその意味でも、例えばツエーゲン金沢との練習試合(6月13日)で見せたような中島選手のワンタッチパスが生きてきますね。

中島 相手がボールを失った瞬間というのは陣形が崩れていることが多いので、奪ったあとの最初のパスは意識しています。ボールを収めてくれる前田遼一選手が最前線にいれば、そこに預けて起点になってくれますから。そういった選手ごとの特徴を生かす上で、素早いワンタッチパスを優先しました。

ーー 一方で、守備のテクニックの面でも、相手の後ろからボールを巧みに奪うシーンが目立ちました。

中島 僕はもともと攻撃的なポジションで、どちらかというと「王様」タイプでした。恥ずかしいんですけど…(笑)。守備が何も分からないままプロに入ってしまったのですが、ディフェンスについて考えるようになったのは、横浜F・マリノス時代に一時期、トレーニングの中で当時のエリク・モンバエルツ監督に右サイドバックで試されたことがきっかけでした。プレーしながら、ボランチの選手にもっとこうしてほしいなとか、もっとこっちにいてくれたらボールを取れたのにな、と思うことがあって、いざ自分がボランチになったときにそれを実践してみるとボールを取れて、どんどん楽しくなっていったという感じですね。
 最初は、なんでサイドバックなんだよ、と思う気持ちもあったのが正直なところですが(笑)、与えられたところで全力を尽くすことで自分のプラスになると信じてやったので、いまから思えばよかったですね。

ーー勢い任せで相手に寄せて奪うというよりは、エレガントにボールを自分のものにしている印象があります。

中島 予測という部分が一つ、あります。あとは、相手がこちらを背負っているということは、一度こちらの動きを目で確認しにきますよね。そこでわざと先に右に行っておいて左にトラップさせてそこで奪うという駆け引きはしています。目立つプレーではないけれど、そういうところを見てもらえるとうれしいです。