「新加入選手には、うどん屋さんを紹介」
高木の正確な左足キックはチームの武器だ（写真◎KAMATAMARE SANUKI）
――過去にプレーしたクラブと比較して、讃岐はどんな特徴があると思いますか。
高木 これは県民性だと思っているのですが、香川県の人は何かに対して、なかなか興味を持ちません。これまでプレーしてきたクラブと比べても、スタジアムに試合を見に来ていただくことは簡単ではないと感じます。そのためにはやはり、もちろんプロなので結果を出さなければいけません。18年にJ2からJ3に降格して、昨季もJ3で結果を出せず、応援してくれる皆さんを裏切る形になりました。もっと多くの試合に勝つことで興味を持っていただき、カマタマーレ讃岐の存在を、香川県全体にアピールする必要があります。
――今季で在籍7年目、キャリアで最も長くプレーするクラブがカマタマーレになりました。地元でもあり、スタジアムに足を運ぶファン・サポーターの思いを、だんだん強く感じるようになっているのではないですか。
高木 ファン・サポーターの皆さんの思いが、僕たちの力になっています。長く在籍しているので、普段スーパーマーケットに行くだけで、声を掛けてもらうこともあるんです。地元のJクラブでプレーできるのは素晴らしいことですし、カマタマーレへの思いは、誰よりも強いと思っています。
――毎年、新加入する選手に、クラブのことや香川県のことを案内しているのですか。
高木 僕の場合、おいしいうどん屋さんを紹介することから始めます（笑）。僕自身は若い頃、年上の選手とはあまり話をしませんでしたが、年齢が上の方になってからは、フレンドリーな感じで年下の選手とコミュニケーションを取っていますよ。練習後に「近くにおいしいうどん屋さん、ありますか？」と聞かれたら、おすすめの店を紹介しますし、一緒に食べに行くこともあります。
――今季は新しく望月一仁監督が就任しました。練習の内容や目指すスタイルなどは、どのように変わりましたか。
高木 望月監督のサッカーは、まず走ることを求められるので、練習でも求められることは厳しいです。前線から相手ボールにプレッシャーをかけて速攻を狙うなど、7年目の自分自身にとっても初めての、これまでのカマタマーレとは違うスタイルを見せられるのではないかと思っています。
――新しい挑戦になりますね。
高木 ボールを使わず、ただ走る練習はこれまであまりやってこなかったので、新鮮に取り組んでいます。周りは年下の選手が多いですが、負けられないですし、逆に自分のモチベーションになっていますね。
――その中で高木選手は、どんなプレーを求められていると思いますか。
高木 しっかり走ることは、最低限としてやらなければいけません。その上で攻撃にアクセントをつけて、違いを見せて試合を決めるプレーを常に心掛けています。そこが望月監督にも期待されているところだと思っているので、これまで経験してきたことを若い選手に伝えながら、試合で違いを見せたいです。