ガイナーレ鳥取のキャプテン、MF可児壮隆は負傷の影響で、本来なら今季の開幕に間に合わないはずだった。だが思わぬ延期で回復の時間ができ、練習に合流した現在は開幕後をイメージしながら体を動かしている。

上写真=負傷も癒え、キャプテンとして臨むシーズン開幕を待ち望む可児(写真◎ガイナーレ鳥取)

昨年11月の負傷から復帰

 2014年の川崎フロンターレ加入後、湘南ベルマーレ、ツエーゲン金沢、FC今治への期限付き移籍を経て、2018年にガイナーレ鳥取に完全移籍した可児壮隆は、加入1年目からJ3リーグで32試合に出場。正確な技術とキックを生かして中盤のパスワークに欠かせない存在となり、昨季も終盤までJ3リーグで30試合に出場していた。

 だが11月の練習試合で、左足の第五中足骨を骨折。復帰まで手術後3カ月と診断され、以降はオフを挟んで今季の始動後もリハビリに励んでいた。当初の予定では今季のJ3開幕は3月8日だったため、回復は間に合わないとみられていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって2月末からJリーグの全公式戦が延期に。回復までの時間ができたことで、5月7日にチームが活動を再開してからは全体練習にも合流している。

 外での練習が始まり、「一人で家の中でやっていたときと比べると、トレーニングでやれることは格段に増えた」という。「ずっと休んでいたので、筋力は落ちている」と語るように、骨折は治ったものの、コンディションを上げていくのはこれから。それでも「グラウンドでみんなと顔を合わせてトレーニングすることで、精神的な面でも晴れる」とのコメントからは、外でボールを蹴ることができる喜びがあふれる。

 キャプテンを務める上での意識は、「しっかり行動しなければいけないことは、キャプテンであっても、そうでなくても変わらない」と考えているが、「周りに気を遣って声を掛けながらやっていきたい」と、チームを引っ張る思いは強い。2013年を最後にJ2から遠ざかっているチームを昇格に導くべく、しっかりコンディションを上げながら開幕の日を待つ。

文◎石倉利英 写真◎ガイナーレ鳥取