3月27日のサンフレッチェ広島とガイナーレ鳥取の練習試合。45分×3本の戦いで大量リードを奪われた鳥取だが、終了間際にDF西山雄介が一矢を報いる得点を決め、ポジション争いの中で大事な結果を残している。

上写真=3本目の45分間プレーして1得点を挙げた西山(写真◎石倉利英)

「結果を出し続けるしかない」

 45分×3本で行なわれたサンフレッチェ広島とガイナーレ鳥取の練習試合は、1本目が1-0、2本目が3-0で広島が勝ち、3本目も広島が1-0でリードしていた。だが3本目終了間際の41分、鳥取はゴール前左サイドでFKのチャンスを得る。ここでFWフェルナンジーニョのキックにDF西山雄介がヘッドで合わせ、鮮やかにネットを揺らした。

 3本目に限って言えば『同点ゴール』となる得点を、西山は「フェルさんが蹴った瞬間に『入った』と思った」と振り返った。フェルナンジーニョのキックに合わせて完璧なタイミングで走り込んだプレーを「テレパシーです」と笑いつつ、「完璧でした」と自画自賛している。

 この日の鳥取は終始、広島の巧みなパスワークに苦しめられ、ボールを追う時間が長くなったが、西山には「去年の育成マッチデーで対戦したときのイメージがあった」という。「前からのプレスではめていくことが1、2本目はできていなかったので、3本目は全部、前から行こうと話していた」と語り、「失点してもやることは変えずにできた」と45分間のプレーを振り返った。

 この日の出場機会は3本目の45分間だけで、厳しいポジション争いを勝ち抜いていくためには「今日のような得点もそうですが、結果を出し続けるしかない」と自覚している。J3リーグは開幕前に延期となり、現状で再開を目指している4月25日まで、さらに約1カ月間の時間があるため(鳥取は4月末の第7節は試合なしで、現状では5月2日の第8節が今季初戦となる)、アピールの時間は十分にある。
 
 定位置奪取に向けて「理己さん(高木理己監督)が求めるプレーに少しでも近づけるように、個人でも、3本目のチームのメンバーでも、継続してやっていくだけ」という西山は、「個人としても感触は悪くない」と、自身の現状に確かな手応えをつかんでいた。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英