J3のFC今治とJFLの松江シティFCが、3月21日に練習試合を行なった。45分×3本で2-2の引き分け。1、2本目にフル出場したFW林誠道は、昨季のブレイクを1年で終わらせないために、結果にこだわる思いを新たにした。

上写真=今治加入1年目の林。前線の核として期待される(写真◎石倉利英)

昨季J3で11得点

 FC今治の本拠地、ありがとうサービス.夢スタジアムで行なわれた今治と松江シティFCの練習試合は、一般にも公開され、J3開幕を待ちわびる多くの観客が集まった。試合は1本目の40分に松江がオウンゴールで先制したものの、今治は2本目の30分にDF園田拓也が決めて同点。3本目も25分に松江がFW西村光司が決めて先行したが、今治も40分にMF片井巧が決め、トータル2-2の引き分けに終わっている。

 今季、ガイナーレ鳥取から完全移籍で加入したFW林誠道は、FW桑島良汰との2トップでフル出場。持ち味のスピードを生かしてゴールに迫ったが無得点に終わり、「FWなのでゴールを決めたかったし、勝ち切れずに悔しい」と振り返った。1本目の23分には味方のシュートを相手GKがはじいたこぼれ球に反応したが、シュートを打ち切れず。「シュートがうまく当たらなかった。あの局面は狙っていて、狙っていたのにうまくいなかったところは、改善しなければいけない」と反省点を口にした。

 大阪産大附高から2015年に鳥取に加入し、同年の開幕戦でJリーグデビューすると、すぐにJリーグ初得点も決めた。その後は長く得点から遠ざかり、サイドバックやMFでプレーした時期もあったが、昨季リーグ戦4年ぶりの得点を挙げると、一気にシーズン11得点の大ブレイク。J3に昇格した今治からオファーを受け、完全移籍で加入した。

 新天地で「連係ができてきたのは最近」と語る一方、「今日は(桑島)良汰さんが1・5列目のような位置でポジションを取ってくれていたので、やりやすい。そこのコンビネーションをもっと良くしていければシュート、ゴールのチャンスは増えると思う」と手応えもつかんでいる。今季から指揮を執るスペイン国籍のリュイス新監督は、ボールポゼッションを重視するチームづくりを進めており、「背後に抜け出すプレーはできるようになっているけど、ここでは(ポストワークで)パスを収めることも重要視されている。うまくバランスを取ってやっていければ」と、求められるプレーのイメージはできている。

 昨季の結果から期待値は高いが、本人も1年だけの活躍に終わらず、続けなければいけないことは自覚している。「結果は常に意識している。いつ開幕するか分かりませんが、モチベーション高くやれているので、続けていきたい」。中断期間に万全の準備を整えて、初のJ3を戦う今治でも結果にこだわっていく。

文◎石倉利英 写真◎石倉利英