同点ゴールを決めた福島の樋口は、前線からの献身的な守備でもチームに貢献 写真◎J.LEAGUE PHOTOS

 9月16日、J3第23節で、福島は長野と1-1で引き分けた。Jリーグ全体でも最多タイとなる今季11度目のドローで、“引き分け率”は実に5割に達する。

■2018年9月16日 J3リーグ第23節
福島 1-1 長野
得点者:(福)樋口寛規 (長)有永一生

田坂監督「新たな試みをしている」

 きれいに決められたわけではなかったが、警戒していたセットプレーから長野に先制を許した。44分、CKのこぼれ球を長野MF有永一生に蹴り込まれた。前半に許したシュートは6本。その最後の1本を決められた。

 ハーフタイムを挟んで後半早々に、長野のエリア前で高く上がったクリアボール球をFW樋口寛規が1タッチで蹴り込み、試合を振り出しに戻す。そしてそのまま、スコアは動かずに勝ち点1を分け合う結果となった。

 勝利には届かなかった福島だが、一方で、変化の様子も見えていた。今季、岡田亮太は右サイドバック、宇佐美宏和はCBを主戦場としていたが、この試合では2人のポジションを入れ替えた。田坂和昭監督は、もともとサイドバックだった宇佐美の攻撃参加を生かすためだと説明した。

 前半と後半でも、チームとして違いを見せていた。直接的に前線へ、あるいはサイドに大きく振ってクロスと、シンプルにパワフルな2トップを使う長野の攻撃に対して、チーム全体でセカンドボールを拾う意識を徹底。CBもプレーが整理され、リズムをつかむベースとなった。長野の2トップが違うペアに入れ替わっても、難なく対応した。

 中盤が苦しんだ相手のプレッシャーには、田坂監督が「1つ飛ばしてみれば、回避できる」とアドバイス。自分たちがボールを持って多くの時間を過ごし、シュート数も2本対5本と“逆転”した。

 福島は選手が近い距離を取ってチームでボールを動かす“密集”プレーを目指しているが、「これまではサイドで密集型をつくっていたが、新たな試みをしている」と田坂監督。これまでの試合と質量は同じ勝ち点1であっても、その内容をブラッシュアップしている。

 勝ち切れない試合が多いことは確かだが、一方で勝ち点を挙げられていない相手はない。次節に対戦するのは、アウェーで0-3と今季最多の点差で敗れているYS横浜。積み上げてきた勝ち点1を、勝ち点3へと変えるときだ。

取材◎杉山 孝