明治安田J2リーグ第38節で3位のジェフユナイテッド千葉はFC今治と対戦し、5−0と大勝した。しかし自動昇格圏内の2位以内に浮上できず、リーグ戦をフィニッシュ。キャプテンの鈴木大輔は悔しさを口にしながらも昇格プレーオフに向けて強い決意を口にした。

上写真=チームの2点目を豪快なヘッドで決めた鈴木大輔(写真◎黒崎雅久)

何かが起きるものだと信じ切っていたので悔しい

「自分たちがやるべきことをやっていれば何かが起きるものだと、本当にチーム全体として信じ切っていた部分があったので、悔しい気持ちは全員にあると思います」

 鈴木大輔は、悔しさをにじませた。2点差以上の勝利を求め、それを成し遂げれば、3位から逆転して2位以内に浮上し、自動昇格を引き寄せられるーー。そう信じて戦い、結果は5−0。攻守に渡り、思い通りのプレーで勝利を手にしたが、首位の長崎は徳島と引き分け、2位の水戸は大分に勝利。千葉はJ1昇格の切符をつかむことはできなかった。
 
「相手がコートチェンジをしてきて、自分たちがサポーター側に攻めることになった。そこはもう最初から圧力かけれるなっていうのがあったので、全開でいこうと。もう前半に畳みかけて、前半で勝負決めるぐらいの勢いでいこうと話していて。それで、その通り、相手に圧力かけながらできたのは1つ大きかった」

 カルリーニョス・ジュニオのPKで先制したあと、31分にネットを揺らしたのが鈴木だった。敵陣右サイドで得たFK。田口泰士の蹴ったボールにドンピシャのタイミングで飛び込み、相手の心を折る追加点を挙げた。「うまく周りの選手たちがスペース作ってくれたのと、泰士のボールがキーパーを迷わせるボールだったので、触れば入るなと」。

 まさに狙い通りの展開だった。後半はさらに3点を追加して、大勝。だが、あと一歩、届かなかった。この結果、チームは3位でプレーオフに回ることになった。もう一度ギアを入れ直す必要があるが、『気持ちの切り替えは可能なのか』と聞かれたキャプテンは、即答した。

「今日も自分たちがやることをやって、何かが起きるものだと思ってやった。次の試合も本当にやるべきことをやるだけ。むしろはっきりするかなと思っていて。(順位が)上の結果云々じゃなくて、自分たちが勝てばもう決められるってところで言うと、全然ポジティブだと思います」

 目の前の試合にフォーカスすればいい。状況がシンプルになったとキャプテンはとらえていた。

「誰が欠けてもダメなチームで、シーズン通して全員で戦ってきて、日替わりでヒーローが出てっていうチームだった。特別な選手はいない、皆が皆を支えている。(小林)慶行さんが先頭に立って作りたかったチームを今、体現することができていると思っています」

 J1昇格プレーオフ準決勝の相手は6位の大宮。今季は1勝1敗だ。

「リスペクトしてますし、一緒に最高の試合をしたい。個の力も組織力もあるし、話題性もあるし、相手に不足はない。(大宮は)すごくいいチーム」

 準決勝、そして決勝。17年越しの目標達成へ、あと2つ。鈴木はこのチームで成し遂げたいと前を向いた。