上写真=3バックの中央を務め、無失点勝利に貢献した新井一耀(写真◎J.LEAGUE)
14戦無敗と複数失点のない堅守
3バックの中央で先発した新井一耀は、古巣との対戦に気合十分だった。
「チームを離れてから初のフクアリでもあったんで。思い入れのある試合でしたけど、そこでしっかりゼロで抑えて勝てて、特別な試合になりました。本当に気持ちの入る試合でした」
長崎は前半から鋭いサイド攻撃を受け、何本もクロスがボックス内に飛んできた。しかし状況は想定していた。新井は高い集中力を維持し、左右からのボールを弾き返した。
この試合、勝ち点を得ると得ないとでは大きく違う。2位長崎はアウェーながら敗れれば、順位を3位千葉に逆転されてしまう。狙うは当然勝利。最低でも引き分けで終えることが重要だったが、長崎は前半にエジガル・ジュニオがネットを揺らし、後半も美しい崩しから松本天夢が得点を記録。そして、守備陣は千葉のただの一度もゴールを許さなかった。
「ジェフは素晴らしいサッカーをしてくると思っていましたし、実際に良いサッカーをされた中で、前半はきつかった。そこで我慢できたのが良かった。クロスを上げられてもなかでしっかり跳ね返す準備をして。攻められましたし、何度かピンチもありましたけど、決定機を作られたかというとそうでもないかなと」
長崎は6月以降、14戦無敗。高木琢也監督が就任した20節以降は複数失点したケースはない。守備の中心である新井は言った。
「役割がめちゃくちゃ整理されていますし、前からのプレスもうまく機能しています。後ろは、しっかり人に強くいくところが徹底されていて、強く行った分のカバーとスライドのところも整理されている。試合をやっていく中で、どんどん良くなっていると実感しています」
優勝でのJ1昇格を視野にチームは前進しているが、目標を達成する上でこの日の勝利は大きなものだった。
「過信はせずに、自分たちが積み重ねてきた通りに試合をしていけば勝ち点は増えていくと思う。厳しい試合をどれだけ勝ち点を拾っていけるかが大事になる。そこでどれだけ冷静に、例えば厳しい試合を引き分けに持っていけるかとか、今、チームは勢いがあると思いますけど、その勢いをうまく使いながらも、冷静に戦うことが重要だと感じています。あとは運を味方につけるような、運をたぐり寄せるように、日頃の準備からしっかりやっていきたい」
首位の水戸とは勝ち点2差。残り6試合。新井は頂点をしっかり見据えて、一戦一戦、力を注いでいく。