現在10位のジェフユナイテッド千葉は、3位から6位のJ1昇格プレーオフ圏内に滑り込むために、もう負けられない。9月25日、明治安田生命J2リーグ第38節で戦うのは4位のロアッソ熊本。「直接対決」で倒すために、熊谷アンドリューが仲間と共有するのは「原点回帰」だ。

上写真=熊谷アンドリューが久々の復帰。ラストスパートにかける(写真提供◎JEFUNITED)

熊本は「縦に速いイメージが」

 9月18日、熊谷アンドリューは負傷からの「復帰戦」を戦っていた。J2第37節のモンテディオ山形戦で7試合ぶりの出場。久々だったが、最後まで戦い抜いた。スコアは、0-2。

「復帰明けということもあって、体力的にちょっと物足りないところがあった」と認めつつ、「失点シーンもそうですけど、ボールにもっと強いアプローチをかけないと自由にやられてしまう。一人ひとりが意識しなければ」と久々の実戦での感覚を振り返る。

 確かに22分の最初の失点シーンでは、千葉のクリアを相手が拾ったところで熊谷が厳しく寄せ、こぼれたところで相手に先に反応されてつながれている。その一瞬の速さや力強さが勝負を分けたという感触だった。そこは、コンディションが高まれば、の思いがある。「今週の練習で意識してやったので、もう少しいいコンディションで次は挑めると思います」とロアッソ熊本との一戦に目を向ける。

 熊本は4位に浮上して、昇格1年目ながらプレーオフ圏内を維持している。同じく6位以内を目指す10位の千葉としては、残り5試合でのこの「直接対決」で勝たなければならない。

「1トップの選手は運動量が多くて、強くて、ゴール決められる選手なので、そこをしっかり抑えることが一番大事です」

「(前節で対戦した)山形よりも縦に速いイメージがあるので、そこは気をつけなければならない」

 独特のスタイルで攻撃を組み立ててくるそんな熊本には、ストロングと自負する守備で対抗する構えだ。

「僕たちの強みは守備にあるので、誰がボールに行くのかを明確にさせていくことをミーティングでもしっかりと話してきました。原点に帰って、いままでやってきたことをやろうと」

 復帰2試合目で迎える正念場。今季、チームの好調時を支えてきた田口と熊谷のセンターハーフコンビが「再結成」されたことは、チームの大きな力になるはずだ。