明治安田生命J2リーグでジェフユナイテッド千葉の残りはもう9試合。10位でプレーオフ圏内に勝ち点3差と十分に手が届くだけに、集中力は高まっている。秋山陽介は勝負のときに必要な3カ条を掲げて、上位進出を静かに見据えている。

上写真=秋山陽介がサイドでの優位性を生んで勝負する(写真提供◎JEFUNITED)

「やられてもおかしくないシーンは作られている」

 アウェーで3位のベガルタ仙台に2-0で快勝した第33節は、仙台から期限付き移籍中の秋山陽介は契約の都合で出場なし。外から観察する貴重な機会にした。

「まず守備から入るところ、引いて守るだけではなくて奪いにいくメリハリをつけるところ、ですね。自分たちがどういった立ち位置になっていて、相手が何を嫌がっているか、それをピッチの中で判断できていると思います。セットプレーの強みはあるので、そこで決めきることが大事になってくる」

 仙台戦を題材に、引き続きやるべきことをそう解説する。順位は10位で変わらないが、残り9試合を戦う上での指針がはっきりと見えた試合になっただろう。

 3試合連続で無失点ということも、大きな意味を持つ。守備の集中力を高いレベルで求める尹晶煥監督のスタイルにあっては、これこそ大きな成功体験だ。ただし、秋山はそれを手放しで喜ばないところもまた、集中力の一つかもしれない。

「しっかり守れて、失点ゼロで終わることができたのはいいところです。ただ、結果的にゼロになったというところもあると思います。やられてもおかしくないシーンは作られているので、そこはみんな慢心せずに向き合えています」

 次のV・ファーレン長崎も強敵だ。攻撃自慢のチームを相手に、4試合連続無失点と今季2度目の連勝を狙うビッグマッチ。左ウイングバックの秋山が自分のサイドを破られるわけにはいかない。

「まずは守備で簡単にやられないことと、自分のサイドでうまく優位を作ってチャンスをどんどん演出できればと思います」

 そして、残り9試合と少なくなったラストスパートには、3つの誓いを立てる。いわば勝利への3カ条。

「シンプルなことですけど、目の前の相手との1対1に負けないこと、自分たちの時間を作れなくても焦れないこと、そしてチャンスに決めきること。基本的なことをどれだけできるかが大事で、そこに対して全員で向き合えればと思います」

 まずは長崎相手に基本を徹底して勝って、ホームに集うファン・サポーターと喜び合う。