明治安田生命J2リーグで9位のジェフユナイテッド千葉にとって、5位のファジアーノ岡山とのアウェーゲームは上位進出へ重要な意味を持つ。連敗中という状況で尹晶煥監督が示唆したのは3バックへの回帰。うまく機能すれば4バックとの自在な変更が可能になるだけに、注目だ。

上写真=尹晶煥監督は岡山のセットプレーの質の高さを警戒する(写真提供◎JEFUNITED)

田邉秀斗の加入もきっかけに

 ファジアーノ岡山との重要な一戦を前に、尹晶煥監督が明かしたのは3バックへ回帰する可能性だ。

「4バックに変えてから最初は良かったですけど、分析されてきて両サイドを使われて失点して2連敗しています。田邉秀斗が入ってきたこともあって、3枚に戻すことも考えています。3枚のほうが後ろは安定するので、岡山戦に向けても準備はしています」

 はっきりと採用すると名言はしなかったものの、トレーニングを重ねていることは示唆した。7月21日には、川崎フロンターレのDF田邉秀斗選手が育成型期限付き移籍で加入することが発表された。サイドバックもセンターバックもこなすプロ2年目。AFCチャンピオンズリーグでは45分間、プレーしているが、J1での出場はなし。それでも、静岡学園高校から川崎Fというキャリアで技術の高さは折り紙付きだから、期待は高まる。

 この「3バック回帰」がうまくいけば、4バックとの併用がさらに効果を発揮するだけに、岡山戦での布陣には注目が集まる。

 もちろん、岡山の特徴を踏まえた上での選択にもなる。

「ターゲットになる選手を中心に周りがサポートしながら、負けているときはフォーメーションを変えて積極的に点を取りにいくチームだと思います。勝ちにいきたい気持ちが見えて良くなってきているので、いま上位にいるのではないかと思います。セットプレーで点を取っているので、気をつけなければ」

 前節は首位だったアルビレックス新潟に粘り強く戦い、先制したあと一度は逆転されたものの、逆転し返してみせた。アウェーながら木山隆之監督は「勝利を目指した」とはっきり口にしていて、上位進出へ最大勝ち点を奪い切る戦いを仕掛けた。それは、千葉が相手でも変わらないだろう。

 7月28日に選手1人が発熱し、新型コロナウイルス感染症で陽性判定、選手1人が濃厚接触者と発表された。チームは万全ではないかもしれないが、3バックの採用の可能性も含めて、上位進出へ興味の尽きないゲームになりそうだ。