上写真＝見木友哉は相手のマークをドリブルではがす狙いで攻めた（写真◎J.LEAGUE）
■2022年7月16日 J2リーグ第27節（ニッパツ/5,766人）
横浜FC 4-0 千葉
得点者：（横）小川航基2、渡邉千真、長谷川竜也
「次の練習までに頭を整理して」
横浜FCに0-4で大敗。ジェフユナイテッド千葉にとっては悔やむところはたくさんあるに違いないが、見木友哉にとってその最も大きなものが、横浜FCの先制点の前までの5分間。
「失点するまで相手に何もさせず、自分たちのペースでした」
「先制できればうちのゲームにできたと思います」
開始3分にはチアゴ・デ・レオンソが裏に抜け出して右足で強シュートを放ち、わずかに右に切れたものの、いきなり相手ゴールを脅かしている。試合の入りは良かったのだ。
しかし、5分にFKから失点すると意気消沈。カウンターから31分に再びゴールを許して0-2のまま前半を終えると、選手たちは呆然としたままほとんど会話もせずにロッカーに下がっていった。
後半にはゴールを奪うために積極的にゴールを目指したが、最後の崩しの場面でミスが生まれて相手にカウンターを許し、61分に3点目を献上。その3分後にも同じように中央突破を止められてから、40メートル近くのロングループシュートが入る不運にも見舞われて、4失点だった。今季3度目の連敗。
もちろん、悪いことばかりではなかった。
「相手も守備ではめてくると人に人にとマンツーマン気味で守ってきて、一つ外せれば全部ずれるので、実際にドリブルで一つ外せてシュートまでいけたシーンもありました」
見木自身が左サイドで運んでいって、中央の田口泰士に預けてシュートを放った30分、同じくドリブルをきっかけに、サウダーニャとのパス交換で中央を割って短くラストパス、櫻川ソロモンが強烈に狙った90分などがその典型だ。だが、田口のシュートはわずかに上に切れ、櫻川のフィニッシュはGKスベンド・ブローダーセンのスーパーセーブでかき出された。
それでも、尹晶煥監督の表現を借りれば「衝撃的」なそのスコアが、言い訳を許さない。
「（先制されたあとは）1点を取ればまだわからない状況ではありましたけど、攻撃の形がないアドリブの中で奪われてのカウンターは、起こるべくして起きたと思うし、それが2本続いて大敗になったと思います」
背番号10を託され、攻撃のタクトを任された自分自身への反省は厳しい。でも、大敗だからこそ、中途半端な未練は振り切ることができる、とも言える。
「0-4というスコアを重く受け止めなければいけないのはもちろんです。でも、残り15試合あるし、次の練習までに頭を整理して次の試合に切り替えるしかない」
7月23日のホーム、ヴァンフォーレ甲府戦で、千葉の、見木の真価が問われる。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE