アルビレックス新潟は7月8日、MF本間至恩が「欧州クラブへ完全移籍することについて、クラブ間の基本合意に達した」と発表した。クラブ名はこの段階で明かしていないが、ベルギーの名門、クラブ・ブルージュと一部で報道されている。

上写真=本間至恩、ついに欧州へ!(写真◎J.LEAGUE)

「サポーターの皆さんのチャントを聞けなかった」

「新潟で身につけたすべてのことに自信を持って、世界に挑戦してきます」

「県民の孫」とも呼ばれて広く愛されているMF本間至恩が、ついに世界に旅立つ。アルビレックス新潟は7月8日に、本間が「欧州クラブへ完全移籍することについて、クラブ間の基本合意に達した」と発表した。

 クラブ名は明かされていないが、一部報道によればベルギーの名門、クラブ・ブルージュだとされている。昨季のベルギーリーグを制し、新シーズンにはチャンピオンズリーグにも出場する強豪だ。

 2000年8月9日生まれの本間は、中学生時代から新潟のアカデミーで育ち、2017年にトップチームでデビュー。圧倒的なドリブルテクニックとクイックネス、強烈な右足シュートでめきめきと頭角を現し、20年からは背番号10を背負って新潟の攻撃の中心となってきた。

 最大の武器は左サイドから縦へ、あるいはカットインして崩していくセンスで、シュートもパスも選択できる判断に磨きをかけて、今季J2でも相手を翻弄、対戦相手が「至恩シフト」を敷くなど最大級の警戒を受けてきた。2021年シーズン前にも移籍の可能性が取り沙汰されるなど、いつも話題の中心になってきたが、ついに決断を下すときを迎えた。

「このたび、欧州のクラブへの移籍に挑戦するため、アルビレックス新潟を離れる決断をしました。幼い頃からアルビレックス新潟に関わり、U-15からオレンジ色のユニフォームに袖を通して9年半の間、自分を成長させてくれたクラブに心から感謝しています。また、常に温かい応援をしてくれるサポーターをはじめ、大きな期待を寄せてくださっている地域の皆さん、新潟に関わるすべての皆さんにも感謝を伝えたいです。

 J1昇格争いの中でチームを離れることへの申し訳なさや辛い気持ちもありますが、自分自身のサッカー人生において、少しでも上に行くための挑戦を選択しました。自分のような小さな体でも世界で戦えることを示したいですし、これまで支えてくださった方々へ恩返しができるように精一杯がんばってきます。

 悔いが残るのは、4万人のビッグスワンでゴールを決めることや、サポーターの皆さんのチャントを聞けなかったことです。その夢やJ1昇格は、アルビレックス新潟で活躍する選手のみんなに託したいですし、絶対に叶えてくれると信じています。

 そして、今アルビレックス新潟のアカデミーに所属している選手たちには、どんなカテゴリーに所属していても、関わってくれている方々や、応援してくれる方々のためにと日々努力を続ければ、自身の目標に近づいていくことも伝えたいです。

 最後に、自分は新潟で身につけたすべてのことに自信を持って、世界に挑戦してきます。これからも応援していただけると嬉しいです」

 その言葉通り、小さな体でも相手を抜き去るプレーが醍醐味。ヨーロッパでもその魅力をたっぷりと表現してくれるだろう。

 なお、7月8日に新潟での活動を離れ、近く渡欧してメディカルチェック等を経て、正式契約を結ぶ予定になっている。

本間至恩(ほんま・しおん)
■ポジション:MF
■生年月日:2000年8月9日(21歳)
■身長/体重:164cm/60kg
■出身地:新潟県新潟市
■経歴:朝日SC → アルビレックス新潟U-15 → アルビレックス新潟U-18 → アルビレックス新潟
■代表歴:U-15日本代表、U-16日本代表候補
■出場記録
J1通算:0試合出場0得点
J2通算:123試合出場21得点
カップ戦通算:5試合出場0得点
天皇杯通算:3試合出場1得点
※2017、2018シーズンはトップチーム2種登録