ジェフユナイテッド千葉で左サイドを駆け抜けるのが秋山陽介。今季加入したレフティーは、3バックのウイングバックでも4バックのサイドバックでも難なくこなす。自慢の左足を振ってゴール前に送り込むチャンスボールはいつも、「ギリギリ」を狙っている。

上写真=秋山陽介は今季移籍してきた千葉で出番を増やし、存在感を高めている(写真提供◎JEFUNITED)

「戦い方の幅が増えている」

 J2第23節の東京ヴェルディ戦で、尹晶煥監督が称えたプレーがある。

「1点リードしてもアキのオーバーラップでPKを取りました。あそこで積極的に攻撃に参加したから追加点になりました。これで、選手にとっていい流れになっていきました」

 アキ、とは秋山陽介のこと。6分に右サイドのFKから新井一耀がヘッドで決めて先制したあとの37分、左外で見木友哉が受けると、内側を秋山が駆け抜け、そこに見木からのパスが足元に滑り込んできて、抜け出したところで倒されてPKを獲得した。見木が落ち着いて決めて追加点だ。

「常にボールを持っているときもいないときも、友哉を確認しながらプレーしています。彼のテンポやタイミングがわかってきたので、2人でうまくすり合わせてやれていると思います」

 3-1で快勝を収めたのは、開始早々に先制したことと、そのあとにもきっちりゴールを積み上げたことが要因になった。

 3バックから4バックに変更して4試合。負けなしを続けている。スムーズに移行していることは結果が示しているが、秋山の実感は「4バックでも3バックでも、やることが大きく変わったわけではない」。

「4バックでしっかり結果を出せているのは、戦い方の幅が増えているということ。いい現象だと思っています」

 ケガ人の影響でやむなく採用した4-4-2のスタイルだが、その象徴的な存在になっているのは若い2トップだ。櫻川ソロモンとブワニカ啓太。ブワニカは7試合負けなしの間に3試合連続ゴールを決めたし、櫻川も大宮アルディージャ戦で貴重な同点ゴールをマークしている。

 そんな2人へ、左から攻め上がってパスを送り込む秋山のイメージは「ギリギリ」だ。

「2人ともアグレッシブな特徴を持っているので、ゴール前であればギリギリで触れるようなボールを入れてアシストしたいですね」

 迫力を持ってゴール前に進入できる2人だけに、相手には決してクリアされないところにボールを入れて、鮮やかなワンタッチゴールを演出するつもりだ。

 そしてもちろん、自らのゴールも。

「ペナルティーエリアの中に進入できているシーンは増えているので、もっと呼び込んでタイミングを見ながら得点も狙いたいですね」