ジェフユナイテッド千葉は明治安田生命J2リーグで17試合を終えて、18位。下位に沈んではいるが、プレーオフ圏内の6位とはまだ勝ち点4差で焦りはない。ただ、ここのところの得点力不足は急ぎ解消しなければならない。そのために高木俊幸が考える心構えとは。

上写真=高木俊幸はここまで2ゴール。自らもさらにシュートを打っていく(写真提供◎JEFUNITED)

「思い切ったことをしてみても」

「まずは得点だと思っています。正直、数字にも出ているし、チャンスの数を増やす作業と、最後の精度を上げるシンプルなところになります」

 高木俊幸はいまのチームの課題を、得点力不足に求める。簡単なことだ。

 チャンスを作る。決めきる。そこにフォーカスするからこそ、研ぎ澄まされていくのだ。

「これだけ入っていないからこそ、打つ前にどうしても余計なことを考えてしまうシーンが増えてしまう。逆に数を増やしてカバーしていくしかないのかもしれないし、一本入れば変わってくると思います。とにかく、早い時間の先制点がなかなかないので、ほしいなというところですね」

 22チーム中、18位と下位に位置するが、プレーオフ圏内の6位とはわずかに4ポイント差。順位ほどの開きはない。それよりも、得点が13でリーグで3番目に少ないという事実のほうが気になる。ここ5試合ではわずか2得点。1勝1分け3敗と足踏みしている。

「どこかで崩し切ることもチームとして目指してはいますけど、最終的にシュートを打つ選手は一人なわけで、ボールを持った選手の判断で思い切ったことをもうちょっとしてみてもいいのかなと思うところもありますね」

 合理的な組み立てだけではなく、ときには整合性にとらわれない攻撃も必要だという感覚が、ピッチの上にはあるのだ。

「試合になったらどうであれ、勝ちにいかなければいけない。本当にシンプルですけど、気持ちで上回る、相手より多く走る、球際で勝つ、その部分は忘れずにやらないといけないと思います」

 ボールの運び方、立ち位置、ビルドアップの手順…そうした論理性を重視すると「それがあるからという気持ちになって、ネガティブな反応になる」と高木は感じている。戦術は勝つためのものであり、言い訳に使うためのものではない。その根底にあるのはやはり、高木の言うとおり、シンプルだが「戦う」というベースだ。それがなければ、戦術も無用の長物。

「90分やっていればきつい時間はあるし、攻められたりうまくいかないときもあるけれど、そこでいかにポジティブにとらえて耐えられるか。そういう作業を繰り返していくしかない」

 混戦模様のJ2で駆け上がるために、いま改めて高木が唱える心構えである。