ジェフユナイテッド千葉で小林祐介の存在感が増している。ボランチの選手にアクシデントが続く中、そのバランス感覚がチームの礎になっている。5月21日の明治安田生命J2リーグ第17節ではロアッソ熊本とアウェーで戦うが、中長距離のパスを磨いてゴールを狙っていく。

上写真=小林祐介は長い距離のパスで一気にゴールに迫るシーンも作っていく(写真◎J.LEAGUE)

「コートを広く使ったプレーが求められている」

 出番を増やしてきた小林祐介は、ここ2試合で先発出場。ファジアーノ岡山に勝ってブラウブリッツ秋田には敗れたが、ボランチとして貢献度を高めている。

 しかも、秋田戦では熊谷アンドリューが負傷交代を余儀なくされ、代わって入った高橋壱晟までもが相手の上げた足を顔面に食らってピッチをあとにする緊急事態。同じポジションの選手たちがアクシデントに見舞われているだけに、ますますその安定感のあるプレーがチームを左右することになっていく。

 ピッチの上では「チームのバランスを取ることと、取ったあとの縦パスで前への意識を出す」ことを心がけているという。その上で、尹晶煥監督に求められているのは、長い距離に送り込むパス。

「ロングボールをもっと蹴ることができるように練習しています。コートを広く使ったプレーが求められていて、パス一本でゴールに直結するようなプレーはまだないので、アシストもゴールも含めて課題として取り組んでいます」

 もちろん、短いパスを交換しながらリズムを作る強みは生かしたい。そこにロングボールを組み合わせることによって、さらに効果を高めていく。

「僕は特に足元のプレーを好むというか得意としているので、どうしても近いところに目がいくので、広いロングボールの展開を課題に取り組んでいます」

 次節のロアッソ熊本戦は中長距離のパスに注目だが、守備から攻撃へのリズムの転換が勝負のポイントになると予想している。

「後ろから細かくつないで、若い選手も多くて走って戦える選手が多いと思います。ロングボールを蹴ってくるのではなくて、細かく人数をかけて回してくる印象があります」

 その相手の強みを、こちらの強みに変えてしまえばいい。

「まずは球際で激しくいかないと簡単に回されますし、向こうは人数をかけて回してくるので、こちらも一人で奪いきれませんから声をかけながら連動して奪っていきたい。高い位置で奪うことでゴールを取るチャンスは増えると思うので、カウンターも含めて意識して試合に臨みたいと思います」

熊本と系統としては似ている徳島ヴォルティスや大分トリニータとはすでに対戦したが、「前からプレスに行けずに下がってしまった」という反省がある。それを踏まえて、続く岡山戦では「センターバックを押し上げてボランチも一歩前に出たことでうまくはまった」という実感を得た。修正できたその戦い方を、熊本にもぶつけていく。

「相手は後ろからリスクをかけてつないでくるので、相手陣地で奪ったほうがゴールに近くて直結しやすいと思います。そこを狙っていきたいですし、前からのプレッシャーは続けてやっていきたい」