アカデミーで育ててもらった「故郷」ジェフユナイテッド千葉に今季から帰ってきた秋山陽介。さっそく出場機会を増やして、左ウイングバックとして存在感を示している。連敗中のいま、どう好転させるかに頭を悩ます。そのためにはやはり「頭の中」がポイントになる。

上写真=秋山陽介は左ウイングバックとしてプレー機会を増やしている(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)

「チームとしてやることがぶれすぎないように」

 アカデミー育ちの秋山陽介がジェフユナイテッド千葉に帰ってきて最初のシーズン、左ウイングバックとして定位置確保に挑むチャレンジの日々だ。

 第7節のアルビレックス新潟戦からは4試合連続で先発出場して存在感を示した。その後、4試合ぶりに先発に復帰した第14節の徳島ヴォルティス戦では0-1の黒星。再びキックオフからピッチに立てた喜びよりも、勝てなかった悔しさがもちろん上回る。

「自分たちで守備のやり方を考えながら、どこではめどころをを作るのか。全部が全部、プレスに行けるわけではないですから、どこで、どういった時間でパワーを上げていくのかをスムーズに判断できるようにならなければと思いました」

 これでリーグの3分の1となる14試合を終えて、出場は半分の7試合。手応えはある。

「ある程度、守備のやり方や連動性はチームのやりたいことができていると思います。ただ、攻撃の部分で結果につながるプレーを増やしていきたいと思っています」

 コンビネーションを生かして前進していくのが強みだから、同じサイドでいえば3バックの鈴木大輔、ボランチの田口泰士、シャドーの見木友哉ともっと連動していくつもりだ。

「技術が高い選手が多いので、その選手にとって時間的な余裕を作れたらいいと思っています。その選手へのパスももうちょっと増やしていければいい」

 ただ、徳島戦だけを振り返れば、「急ぎすぎ」を反省点に挙げる。

「奪ったあとのプレーの判断で、速い攻撃という選択もいいけれど、そこでしっかりした判断ができずにロングボールが多くなってしまった、というのが本当のところです。自分たちが奪ったときに受ける意識をもっと持って、ポジションを考え、速く攻めるかゆっくり行くかの判断をもう少し早くやらなければいけないと思います」

 難しかったのは、ボールを握りたがる徳島にその通りの試合運びをされて、千葉が後追いの展開になったこと。そうなると、「相手の攻撃を受ける時間が長かったので、奪ったあとの切り替えが遅くなった」ことで、判断にずれが生じた。

 その反省を踏まえて、負けられないファジアーノ岡山戦に臨む。相手は4位と好調だ。

「前線に強い選手がいて、攻守の切り替えのところでも早いと思うので、試合を通してカギになると思います」

 最前線にオーストラリア代表のミッチェル・デュークを配置して高さと強さで軸を作り、その周囲でセカンドボールを奪い切る戦いが仕込まれている。そこで負けていては、徳島戦と同じことになる。

「勝ち点を取れていないので、全力でプレーしなければならないです。チームとしてやることがぶれすぎないようにして、しっかりプレーを出せたらと思います」