上写真＝鈴木大輔はセットプレーを警戒していたが、ほころびを見せてしまった（写真◎J.LEAGUE）
■2022年2月19日 J2リーグ第1節（フクアリ/5,588人）
千葉 0-1 岩手
得点者：（千）なし
（岩）宮市 剛
尹晶煥監督「すべて私の責任」
ジンクスを生き返らせてしまった。2021シーズン、ブラウブリッツ秋田とSC相模原に1勝もできなかったジェフユナイテッド千葉が、またしてもJ3から昇格してきたチームに苦杯を喫した。開幕戦で0-1の黒星。尹晶煥監督も「なんと言えばいいのか…」とうなだれ、「すべて私の責任。選手はよくやってくれた」と話した。
26分の失点はFKから。尹晶煥監督もキャプテンの鈴木大輔も、この試合を迎えるにあたって「岩手はセットプレーが得意だから気をつける」と警戒していた。にもかかわらず…。
しかも、取られ方がよくなかった。千葉から見て左サイドで与えたFKで、中央でしっかりとマークに付いていた。ボールも見ていた。しかし、そのさらに奥にいた宮市剛の存在に誰も気づいていなかった。かつて千葉にも所属していたキッカーの中村太亮が自慢の左足をひと振りすると、ストレートボールが逆サイドにまで届いてフリーで蹴り込まれた。
「失点の場面を含めてファーで守備の枚数が少なかった。高さを外してきた形で狙ってきていました。そこからは全体でスライドしてファーを固めるよりも、ファーに意識を持っていくことを心がけました」
高さをおとりに使われた、という実感だ。岩手は先発の11人中、1人を除いてみんな180センチ以上だ。だから、基本的にゾーンディフェンスを敷く千葉は、危険な中央をまっさきに埋めた。その裏を突かれたというわけだ。鈴木も182センチあってど真ん中に構えていたが、頭上をスピードボールが越えていった。
「セットプレーは気をつけようと入りましたが、失点して苦しい展開になってしまいました。時間が経つにつれて試合をコントロールできるようにはなりましたけど、守りきられてしまった」
この失点の前にも2度、ファーが狙われた。失点のあとでも、35分の左からのCKで同じように右ポスト際まで送られて、戸根一誓にヘッドで狙われた。このシーンに至っては、利根のすぐ後ろでブレンネルもフリーだったから、修正が効かなかったことになる。
「チャンスがないわけではなかったけれど、セットプレーを含め、決め切らなければいけなかった。システムが同じ（3-4-2-1）なのでマンツーマン気味で守られていて、途中でシステムチェンジで工夫したし、あとは個の力で打開でチャンスは作ることができていたので、継続していきたい」
不用意な失点によって流れを失ったまま、岩手に勝利を絡め取られた格好だ。1週間で修正して、アウェーのFC琉球戦に今季初勝利をかける。
取材◎平澤大輔 写真◎J.LEAGUE