2021明治安田生命J2リーグは12月5日についに最終節を迎えることになった。ジュビロ磐田が優勝と昇格を、京都サンガF.C.も2位で昇格することを決めたが、その両チームを最前線で引っ張ってきたエースのルキアンとピーター・ウタカが、激しい得点王争いを演じている。

上写真=ルキアンとウタカが争うJ2得点王。1点差で最終節に向かう(写真◎J.LEAGUE)

ともに右足ゴールが7割弱

 ルキアンが22ゴールで首位を走り、1ゴール差でピーター・ウタカが追いかけるJ2の得点王争い。ジュビロ磐田と京都サンガF.C.が昇格を達成できたのも、この両エースがゴールで力強く牽引してきたことが大きい。

 1試合平均シュート数もウタカが4.4本で1位、ルキアンが4.0本で2位と、ともにたくさん打ってたくさん決めてきた。一方で、シュート部位を比較すると、違いが表れる。

 ルキアンの22ゴールを振り返ると、右足で15ゴールを挙げていて、これはリーグで最も多い。ヘディングの7ゴールも同様にトップだ。しかし、左足はゼロ。ウタカは右足で14ゴールでルキアンに次ぐ2位、左足が7本で4位で、こちらはヘッドでノーゴールだ。どちらも得意の右足の威力を誇りつつ、ルキアンは空中戦、ウタカは地上戦タイプだとも言えそうだ。

 月別ゴール数でシーズンを通して見ていくと、ルキアンは4月と9月に5ゴールずつを決めていることが大きい。4月は4連勝などで上位へと躍進していった時期で、9月は京都と激しく首位争いを繰り広げていたタイミング。そこでゴールを量産したことで、安定した戦いに持ち込んだと言えそうだ。

 ウタカも同じく4月に5発だ。ギラヴァンツ北九州戦のハットトリックが大きかったが、この間、5戦全勝していて(5月最初の試合も勝って今季最長の6連勝)、序盤の進撃を支えた。10月には5試合4得点で、首位を磐田に明け渡したものの、食らいついていった時期。そのゴールで2位の座を死守した。

 雌雄を決する最終節は、磐田がブラウブリッツ秋田と、京都がツエーゲン金沢との対戦。磐田は優勝を、京都は昇格を前節で決めたが、アウェーだったので、どちらもこれがホーム凱旋となる。祝福ムードの漂う中での一戦となりそうだが、対戦相手を比較すると、秋田がすでに残留を決めているのに対して、金沢はサバイバルの真っ只中。ウタカは失点ゼロの覚悟で向かってくる金沢守備陣をかいくぐって、少なくとも2ゴールを決めなければ単独得点王には届かない。

 2021年のJ2のゴールキングはルキアンか、それとも2年連続でウタカか。最後まで目が離せない。