上写真=残留を争う大宮と群馬が最終節で直接対決。前回対戦は1-1で引き分けている(写真◎J.LEAGUE)
J2が13時、J3が14時キックオフの難しさ
J2とJ3の昇格・降格について抑えておかなければならないのが、J3のテゲバジャーロ宮崎の順位だ。宮崎がJ2ライセンス未交付で昇格できないため、2位以上になった場合はJ3からの昇格チームは1チームのみ、J2からの降格チームは3チームとなる。
J3は15チームと奇数チームで争うため消化試合にばらつきがあり、その宮崎は11月28日の第29節ですでにシーズンを終えている。その結果、勝ち点53の宮崎が首位、52のいわてグルージャ盛岡が2位、51のロアッソ熊本が3位で12月5日の最終節を迎える。岩手は沼津とアウェーで、熊本はホームで岐阜と戦う。
この3チームの順位決定の可能性は、以下の通りとなる。
岩手の結果(vs沼津) | ||||
◯ | △ | ● | ||
熊本の 結果 (vs岐阜) | ◯ | 優勝:岩手 | 優勝:熊本 | 優勝:熊本 |
2位:熊本 | 2位:岩手 | 2位:宮崎 | ||
3位:宮崎 | 3位:宮崎 | 3位:岩手 | ||
△ | 優勝:岩手 | 優勝:岩手 | 優勝:宮崎 | |
2位:宮崎 | 2位:宮崎 | 2位:熊本 | ||
3位:熊本 | 3位:熊本 | 3位:岩手 | ||
● | 優勝:岩手 | 優勝:岩手 | 優勝:宮崎 | |
2位:宮崎 | 2位:宮崎 | 2位:岩手 | ||
3位:熊本 | 3位:熊本 | 3位:熊本 |
宮崎の順位に注目してみると、「岩手●、かつ熊本△●」で優勝、「岩手●、または熊本△●」で2位以上となる。
これを踏まえてJ2の残留争いを整理していくが、すでに愛媛FCと松本山雅FCの降格が決まっており、残るは1チームか2チーム。最終節で関連する試合は以下が組まれている。
13時 大宮アルディージャ vs ザスパクサツ群馬 NACK
13時 京都サンガF.C. vs ツエーゲン金沢 サンガS
13時 東京ヴェルディ vs SC相模原 味スタ
13時 モンテディオ山形 vs ギラヴァンツ北九州 NDスタ
順位 | チーム | 勝ち点 | 得失差 | 12/5 |
---|---|---|---|---|
16 | 群馬 | 41 | -19 | 大宮 |
17 | 金沢 | 40 | -21 | 京都 |
18 | 大宮 | 39 | -7 | 群馬 |
19 | 相模原 | 38 | -18 | 東京V |
20 | 北九州 | 35 | -27 | 山形 |
ここで難しいのは、J2がすべて13時キックオフなのに対し、J3はすべて14時キックオフだということ。つまり、先に試合が終わってJ2で19位になったクラブは、試合が終わってから1時間ほど待たなければ、残留か降格かが決まらないという状況を迎えることになるのだ。来季は最終節のスケジュールをJ2とJ3で揃えることが必要だろう。
■16位群馬の場合
18位以上でフィニッシュすればもちろん残留で、19位で終わって、かつ宮崎が3位となり、降格が4チームになるパターンにのみ関係してくる。
16位の群馬が迎えるのは、18位の大宮とアウェーで直接対決するという熱いゲーム。ここで引き分け以上で18位以上で残留が確定する。負けても(1)金沢が敗戦(2)金沢が引き分けて勝ち点で並んでも、得失点差で金沢を上回る(3)相模原が引き分け以下、であれば残留となる。
■17位金沢の場合
群馬と同じく、19位で終わって宮崎が3位の場合に降格となる。やっかいなのが、相手が昇格を決定した京都だということ。京都は前節のアウェーゲームで2位を決めたため、最終節でホーム凱旋となる。勝利で昇格を祝いたいだけに、全力で向かってきそうだ。
受けて立つ金沢は、以下の複雑な条件で残留となる。
(1)金沢が勝利
(2)金沢が引き分けた場合、以下のうち1つ以上満たしたときに残留が決定
・大宮vs群馬で群馬が勝利、または引き分け、または3点差以上で群馬が敗戦
・相模原が引き分け以下
(3)金沢が敗れた場合、以下のうち1つ以上満たしたときに残留が決定
・大宮が敗戦
・相模原が引き分け以下
■18位大宮の場合
大宮も群馬と金沢と同様に、19位になれば、宮崎が3位になったときに降格の危険がある。上記のように群馬との直接対決のため、何が起こるかわからないが、以下で残留が決まる。
(1)大宮が勝利
(2)大宮が引き分けた場合、以下のうち1つ以上を満たしたときに残留が決定
・金沢が敗戦
・相模原が引き分け以下
(3)大宮が敗れた場合、以下のどちらかで残留が決定
・相模原が敗戦
・相模原が引き分けて勝ち点で並んでも、得失点差で相模原を上回る
ここまでが現時点で残留圏内にいるチームの状況。降格圏のチームにもわずかながら残留の可能性は残されている。
■19位相模原の場合
相模原には18位以上に浮上する可能性もある。一方で、20位の北九州とは勝ち点で3上回っていて、得失点差で-18と-27でも9ポイント優位ではあるが、数字上は順位が入れ替わる可能性もわずかながら残されている。
まず、宮崎がJ3で2位となった場合は少なくとも19位になればいいので、下記となる。
(1)相模原が引き分け以上
(2)相模原が敗れた場合、以下のどちらかで残留が決定
・北九州が引き分け以下
・北九州が勝って勝ち点で並んでも、得失点差で北九州を上回る
宮崎がJ3で3位となった場合は、18位以上になることが必要になる。
(1)相模原が勝利 ※大宮と群馬が直接対決のため、どちらかを上回るため
(2)相模原が引き分けた場合、以下で残留が決定
・大宮が敗れて勝ち点で並び、得失点差で大宮を上回る
■20位北九州の場合
20位の北九州は、19位に滑り込んで宮崎がJ3で2位以上に入ることを願う戦いになる。19位の相模原は勝ち点38で北九州の35より3ポイント上。つまり、19位に入る条件とは、北九州が勝って、相模原が敗れて勝ち点で並び、得失点差で相模原を上回ることのみ。その得失点差は上記の表の通り、相模原の-18に対し、北九州の-27。9ポイントの差をひっくり返す必要がある。
どのチームも条件はそれぞれ込み入っていて、しかも、上記のようにJ3のキックオフ時間のほうが遅いだけに、いずれにしろ勝利を目指して戦うことには変わりはない。