ジェフユナイテッド千葉の熊谷アンドリューが東京ヴェルディ戦(J2第35節)を前にオンラインで取材に応じた。現在10試合連続先発中で、中盤でチームの5戦負けなしに貢献するボランチは、試合中の修正力が重要だと話した。

上写真=攻守両面でチームを支えている熊谷アンドリュー(写真◎J.LEAGUE)

今、本当にチームで戦えている

 現在の千葉は熊谷と田口泰士が中盤でドイスボランチを組んでいる。この二人の状況を読む力と修正力がチームを支えているのは明らかだ。相手を見て修正し、適応し、上回っていく。むろん彼らのみでそれが可能なわけではないが、ボランチのハンドリングがあればこそ、チームは機能している。

 前節の大宮戦ではその部分で課題も残った。前半はうまくゲームをコントロールできていたが、後半相手の変化に対応しきれず、劣勢を招いたからだ。「中盤の枚数がちょっと相手の方が多くて泰士くんと二人でなかなかマークがつかめないという話をしていました。そこで数的不利を作られたときに、どうプレッシャーにいくのか、改善しないといけないなと思いました」と熊谷も反省を口にした。

 それでも勝ち切れたのは、守備の好調があるからだが、修正力をさらに磨くことで、チームの勝利はより盤石なものになると熊谷は実感している。「試合中、自分たちが悪い状況のときに、それを変えられるようにみんなで話し合いながらやりたい。しっかりボールを持たれても耐えるところを耐えて、試合に勝てればいいのかなと思います」。刻一刻と変わる状況を見極め、それに適応できるか否か。いち早く正解を導き出してチームで共有することが安定して勝利を重ねるためには重要だ。プレスのかけ方を変えることについて問われると、熊谷はこう答えた。

「やっぱり中で話すのが一番だと思うので。ハーフタイムには監督含めてコーチ陣が修正してくれるんですけど、それまでの間は中で話し合う。この間の大宮戦はなかなか修正できなかったですが、次は悪い流れのときにしっかり修正できるようにしたい」

 前節、アディショナルタイムの見木友哉の決勝点をアシストしたのは熊谷だった。鮮やかなダイレクトパスを通し、チームを勝利に導いた。決めた見木も見事だが、お膳立てした熊谷もまた見事だった。「相手が前がかりになっていたので、ワンチャンスあるかなと思っていました。想像以上に良いボールがいったのでよかったです。一応、狙っていたんですけど、あそこまで良いボールがいくとは思わなかった」。本人は謙遜するが、状況を見極める力が生んだプレーでもあった。

 明日の東京V戦は、その修正力を発揮して勝利を収めたいと話す。「すごくパスをつないで、一人ひとりの技術が高い印象があります。おそらく(佐藤)優平くんが起点になってくると思うので、そこを潰せるように、個人としてはやりたいなと思います」。

 チームは目下、5戦負けなし。無敗を継続し、勝ち星を重ねたいと意気込む。

「最近、攻守両面で本当にチームで戦えていると感じています。きつい時も良い時も本当に全員でサッカーをやっている。良い方向に向かっていると思います」

 好調を維持し、さらなる高みへ。「可能性がある限り、勝ち点3をつかみに全員で挑むことが大事」。熊谷は必勝を誓って、味の素スタジアムに向かう。