京都サンガF.C.が再び首位に立った。9月18日の明治安田生命J2リーグ第30節モンテディオ山形戦で2-0の勝利を収めた。貴重な追加点を決めたのがMF三沢直人。幸運も味方して決まった一撃は、一瞬の決断がもたらしたものだった。

上写真=山形戦で貴重な追加点を挙げた三沢直人。右サイドを鮮やかに崩した(写真提供◎京都サンガF.C.)

「周りも見えていたのでいける」

 京都サンガF.C.が9月18日のモンテディオ山形とアウェーで戦った上位決戦。勝利にグッと近づく貴重な追加点を決めたのが、MF三沢直人だった。

 44分に宮吉拓実が先制して、1-0のまま後半へ。山形が攻撃のパワーを惜しみなく注ぎ込んでくる。それを受け止めながら押し戻す展開の中で、53分に出番を得た三沢が輝いたのは、60分のことだった。

 飯田貴敬、三沢、ピーター・ウタカ、宮吉と前後に鮮やかなワンタッチパスを連続させて右サイドを進むと、中央に入った三沢へ。ペナルティーエリアの外、20メートルほどの距離からから左足を振ってたたいたボールは、ゴール左に飛び込んだ。

 ……のだが、本人も認める当たり損ねだった。松田天馬に当たってコースが変わる幸運。

「あそこでシュートの判断ができたのは良かったんですけど、次はいいシュートを打てるようになりたいです」

 苦笑いとともに振り返った。

 松田とは「オレのゴールでしょ、みたいにお互いに言い合っていました」と微笑ましいが、光ったのはやはり「周りも見えていたのでいける」とした決断だろう。最後のインパクトの瞬間は、トラップが少し足元に入る形になって「もう少しボールを置く位置を前にしていれば」という反省があるものの、何よりもまずゴールに向かうという、このチームに植えつけられた意志の強さを体現したゴールだと言えそうだ。

 途中からピッチに入って流れを変えるというミッションを託されることが多い。この日も「相手のボランチにセンターバックからつけてくることが多くて、そこに食いつくと自分とディフェンダーの間に落とされるので、食いつきすぎず下がりすぎず、厳しくプレスかけるように」と守備の整理について指示を受けて飛び出していった。そのわずか7分後のゴールでチームを楽にさせた。

 次はホーム、サンガスタジアムに栃木SCを迎える。京都のJ2でのホーム通算450ゴールまで、あと1点だ。三沢の次の一発が節目のゴールになるか。それがボールの芯をたたくきれいなシュートでも、あるいは山形戦のようなミスキックからであっても、昇格という目標に向けて貴重なゴールになることは間違いない。