FC町田ゼルビアFWドゥドゥが、チームを今季2回目の3連勝に導く決勝点を挙げた。自身が得点した試合でチームが勝つのは今季初めて。チームは勝ったが苦い思いを味わった前節の悔しさを晴らす、見事な活躍だった。

上写真=今季3得点目で3連勝に貢献したドゥドゥ(写真◎石倉利英)

■2021年9月11日 J2リーグ第29節(@みらスタ:観衆2,369人)
山口 0-1 町田
得点:(町)ドゥドゥ

「自分の価値をもう一度証明する」

 9月11日の明治安田生命J2リーグ第29節。レノファ山口FCとアウェーで対戦した町田の決勝点は84分に生まれた。相手のクリアをはね返して右サイドに展開し、MF岡田優希がセンタリング。ファーサイドでフリーとなっていたドゥドゥが右足ボレーで蹴り込み、ネットを揺らした。

 試合後のオンライン会見で「非常に良い形でのカウンターアタックだったと思う。オカ(岡田)にはずっと、ボールをよこせと呼んでいた」とコメント。ニアサイドでFW鄭大世が相手DFを引きつけていたことにも触れ、「良いボールが来たし、テセさんも相手をしっかりブロックしてくれて、おかげで僕のところにボールがこぼれて、決めることができた。チームとして非常に良いゴールだった」と喜んだ。

 得点後にピッチにひざまずき、感無量の表情で祈りを捧げたのには理由があった。ツエーゲン金沢に4-0で大勝した前節、3-0とリードして迎えた68分から交代出場したものの、85分で途中交代。「非常に残念な形で試合を終えてしまった。自分の価値をもう一度証明するためにも、どうしてもゴールが必要だった」と今節への意気込みを明かし、「そういった思いもあったので、感極まってしまった」と振り返った。

 今季開幕後に加入して3得点目だが、過去2試合は1分け1敗で、チームが勝利したのは初めて。前半にMF太田修介がPKを止められるなど、なかなか均衡を破れない難しい試合で勝ち点3をもたらし、「チャンスを決められない時間が長く続いた中での勝利であることが、ゴールを決めたこと以上に重要。それが自分のゴールだったのも、満足のいくことだった」と強調した。

 昇格圏内の2位との勝ち点差は10のままだが、5位から4位に浮上。日本での豊富な経験を持つアタッカーは「アウェーで2連勝しましたが、大事なのは次にホームでしっかり勝つこと」と、V・ファーレン長崎をホームに迎える次節を見据えていた。

現地取材・写真◎石倉利英