アルビレックス新潟の4試合ぶりの勝利は、谷口海斗がもたらした。明治安田生命J2リーグ第26節でSC相模原に先制されながら、直後の同点ゴールのシーンではクロスに突っ込んで触ったボールが相手に当たってこぼれたところから福田晃斗が決め、逆転弾はゴール前に入り込んで押し込んだ。これで節目の10ゴールだ。

上写真=谷口海斗が決勝ゴール! 何度もゴール前に入り込んでゴールを狙い続けた(写真◎J.LEAGUE)

■2021年8月22日 明治安田生命J2リーグ第26節(@デンカS/観衆8,951人)
新潟 2-1 相模原
得点者:(新)福田晃斗、谷口海斗
    (相)藤本淳吾

「これで満足せずにチームのために」

 2020年のJ3得点王・谷口海斗が、アルビレックス新潟でついに10ゴールだ。2ケタ得点に乗せて、笑顔満載だった。

「自分の結果として、2ケタいけたのはうれしいです」とシンプルな表現で喜びを表しながらも、強調したのは「続けてチームの勝利に貢献できるゴールを決められるようにしていきたい」だった。チームが勝つことが大事で、そこに貢献するゴールは続けて取らなければならない、という決意だ。だからこそ、10得点まで積み上げることができたのだ。

 これで高木善朗と並んでチーム最多、J2全体でも4位タイに浮上してきた。再開初戦の大宮アルディージャ戦ではアディショナルタイムに決めて歓喜したが、1分後に決められて同点となり、勝利をもたらすことができなかった。だから、この10点目が逆転弾となってチームを勝利に導いた意味は大きい。

「結果としてゴールを決めるポジションなので、これで満足せずにチームのためにやっていきたいです」

 1トップの高澤優也とのコンビネーションが効いていた。この日は左サイドハーフとして先発し、アルベルト監督が仕込んできたというサイドからのクロスを受けるタスクを、この高澤とともに担った。

 相模原に先制された3分後に決まった同点弾も、右からの星雄次のクロスに谷口が中央へ突っ込んで頭で触り、それが相手に当たってこぼれたところを福田晃斗が蹴り込んだものだった。谷口の逆転弾も藤原奏哉のクロスに高澤がニアで合わせようとしたところで相手に当たってコースが変わり、ファーに入っていた谷口が相手の前に右足を差し込むようにして触って決めた。

「クロスを特に意識してやっていたので、そのクロスからしっかり決めきることができて本当に良かったです」

「優也も中でヘディングでたたけるので、2人でしっかり中に枚数をかけてニアとファーでヘディングで勝負することは意識できたのかなと思います」

 得意のカットインからの強烈なミドルシュートも放つなど、体も軽い。この6試合で3得点と夏に調子を上げて、ゴールハンターとしてのプライドをぶつけていく。

写真◎J.LEAGUE