ジェフユナイテッド千葉の尹晶煥監督は現在のチームについて安定感が増してきたと語る。どんな相手にも堅守をベースにゲームを進め、首尾よくゴールを奪って勝ち切るというコンセプトが浸透してきたという。ヴァンフォーレ甲府戦も「らしく」戦うことを選手に求めている。

上写真=ジェフユナイテッド千葉を率いる尹晶煥監督(写真◎J.LEAGUE)

ハイプレスとボール奪取後の選択

 アウェーの甲府戦に臨む千葉の尹監督は上位陣との対戦が続く8月の4試合が後半戦で勢いをつけるために重要だと話していた。山形戦に敗れ、新潟戦はスコアレスドロー。1分け1敗とここまで思うような結果は残せていないが、内容に目を向ければ、チームとしての向上も見られている。前からプレスをかけられず、後ろの重心が下がった山形戦の反省を生かし、新潟戦ではアグレッシブな守備を実践。セットプレーでも集中を切らすことなく、無失点を実現した。勝利は手にできなかったものの、上位チーム相手に狙い通りの守りができたことは収穫になった。

「(山形戦から)選手を何人か交代して前からプレッシャーをかけることにしたんですけど、(プッシャーをかける)スピード感とか、良い守備でできていました。そのためのメンバーを組んだというのもあります。これを続けてできるようにしたい」

 甲府戦はアウェーゲーム。相手はホームで7勝4分け1敗と好成績を誇る。尹監督は「守備から攻撃にいく、カウンターが鋭いチーム。守備がすごく堅いので、同じフォーメーション(3-4-2-1)でやると思いますけど、1対1のところで負けないようにすることが大事だと思っています。とくに左の選手(荒木)が、仕掛けたり裏に抜けたりするのでそこは気をつけながらやらないといけない」と甲府戦のポイントについて語った。

「甲府は守備が堅い。先制点を決めたら、相手が攻めに出てくるので、それを利用して大量点を取っている試合もある。だから先制点を大事にないと。失点をせず、こちらが先制点を奪えたら逆の立場になるんじゃないかなと思います」

 リスクをしっかり管理して良い守備から良い攻撃にいかに転じていくか。とく大事になるのはボールを奪ったあとの選択だ。急ぎ過ぎてミスを犯し、ロストを繰り返すようでは相手のゴールは遠くなる。最適解を出し続けるべく、集中し、落ち着いてプレーすることが肝心だ。

「自分たちのやりたいことをしっかりやること。90分、それを忠実にできればチャンスが来ると思う。落ち着いてプレーしないといけないし、それは選手たちにもずっと言っています。アウェーでの試合ですが、それができれば勝ち点を取れるのではないかと思っています」

 堅く守って鋭く攻める。勝ち点を持ち帰るためには、千葉らしく戦うことが重要になる。