京都サンガF.C.のチョウ・キジェ監督が、8月18日の天皇杯ラウンド16・浦和レッズ戦への意気込みを語った。リーグ戦につながる意義を強調し、かつて自身もプレーした古巣からの勝利をつかむべく燃えている。

上写真=天皇杯の浦和戦に向けてオンラインで報道陣の質問に答えたチョウ・キジェ監督(写真◎スクリーンショット)

リーグ戦の合間の天皇杯

 京都は8月14日の明治安田生命J2リーグ第25節・松本山雅FC戦が大雨の影響で中止となった。当日になって中止が決まり、バスでの帰路も通行止めなどの影響があったため、京都に戻ってきたのは14日の23時。それでも指揮官は「選手の動きを見ていると、コンディション不良の選手もいない。大きな影響はないと思っている」とチーム状態を説明している。

 18日には、たけびしスタジアム京都(西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場)で行なわれる天皇杯ラウンド16で、浦和レッズと対戦する。リーグ戦の次節も22日、アウェーでの水戸ホーリーホック戦が控えており、J1昇格争いとの兼ね合いが気になるところだ。

 だが監督は、天皇杯の位置付けについての質問に「いまのサッカー界では、カップ戦とリーグ戦は別物と考えるのではなく、あくまでチーム強化の一環として、違う種類の大会があると捉えた方がいいと思っている」と回答。「天皇杯で2回勝ち、(3回戦の柏レイソル戦に続いて)またJ1のチームとやれるチャンスが我々の目の前に広がっているというだけ。今回も終わった後に、選手たちの自信や手応えが生まれるような戦いをしていきたい」と、格上との戦いの意義を強調した。

 事実、3回戦はV・ファーレン長崎に敗れてリーグ戦16試合ぶりの黒星を喫した直後だったが、中3日で臨んだ一戦で柏を2-1で下し、さらに中3日のリーグ戦でギラヴァンツ北九州に勝って勢いを取り戻している。「流れを変えるためにも非常に大事な試合だったが、先制されながらも逆転勝ちできた」と柏戦を振り返り、「今日も紅白戦がありましたが、リーグ戦の対戦相手に勝るとも劣らないクオリティーを、全選手が見せてくれるようになったと思っている。やはり日々の練習が試合につながる。天皇杯も、どの選手が出場したとしても、我々らしい戦い方で勝負したい」と、現状への自信と意気込みを語った。

 浦和はチョウ・キジェ監督、杉山弘一コーチが現役時代にプレーしたクラブであり、現役選手でもDF森脇良太、FW李忠成などが実績を残した。「僕が初めてプロのキャリアをスタートしたのは浦和レッズ。あのチームで戦ったスタッフや選手にとっては、ある意味で特別な戦いになる」と語った指揮官だが、一方で「我々は我々の戦い方を、浦和レッズという素晴らしい相手にぶつけていくだけ。変にセンチメンタルになる必要はない」とコメント。「レッズにいた人たちが、まだ頑張っているんだなと、自分たちのプレーとして見せたい気持ちがある」と戦いに向かう心境を明かした。