7月21日に行われる天皇杯3回戦で、ジェフユナイテッド千葉はホームスタジアムに川崎フロンターレを迎える。J1王者との戦いを楽しみに待ち望むのが安田理大だ。33歳と脂の乗った円熟のプレーで立ち向かう。「サッカーは何が起こるかわからない」の言葉が予言となるか。

上写真=千葉の安定を支える安田理大。川崎Fとの対戦が楽しみで仕方がない(写真◎J.LEAGUE)

「ポイントは気持ちです。それ以外ないですね」

「楽しみですね!」

 ニコニコの笑顔で安田理大は絶対王者との戦いを待ち望んでいる。ジェフユナイテッド千葉は7月21日、天皇杯3回戦で川崎フロンターレと対戦する。

「日本中のサッカーファンが川崎が絶対王者だとわかっていて、そういうチームと対戦できるのはやりがいがあります。自分もJ2はもう4年目で、J1のチームとは久々の試合なので楽しみです」

 J2の10位のチームがJ1王者に立ち向かうという構図になるが、日本代表も経験した安田にとっては余計な力も入らない。なにしろ「僕自身は、イキってるみたいだけど、川崎が上だとは思ってないし、いつもそういう気持ちで自分が一番上だと思ってやっているので、自信だけは持ってやりたいですね。空回りはしないようにして」という最高のメンタルが支えてくれるのだ。

 だから、川崎Fの勝利という大方の予想に待ったをかける。

「わかんないですよ、うちがめっちゃ攻めるかもしれないし。サッカーは何が起こるかわからないですからね。川崎は前の試合も苦戦していたし(天皇杯2回戦でJ3長野にPK戦で勝ち抜き)、自分はJ1にいたからわかるんですけど、下のカテゴリーとやるの、嫌なんですよ。勝って当たり前の空気があるし、やりづらさを感じているの向こうのほうだと思うので、スキを突いていきたいですね」

 その言葉を「予言」にするには、「やりにくさ」を逆手に取っていく賢さが必要になるだろう。千葉もJ2のここ4試合を2勝2分けと負けなしで、失点もわずかに2と安定している。

「負けていないのは自信につながるし、チームはいい雰囲気です。勝った試合でも引き分けた試合でも、簡単な試合ではなくて紙一重でした。そういう試合を勝ち点1とか3にできたことが、チーム力が上がって全員が成長している証拠だと思います」

 成長のパワーをぶつけるには最高のタイミングだろう。

「ポイントは気持ちです。それ以外ないですね。あんまり受け身になりすぎずに、自分たちもJ2を戦ってきてコンディションは悪くないし、ホームでできるし、自信を持ってやっていきたいと思います」