上写真=見木友哉が攻撃の主役。群馬戦に勝って、反攻の7月に打って出る(写真提供◎ジェフユナイテッド千葉)
「群馬戦を楽しみにしています」
全20試合出場は、フルタイム出場を続けるDF鈴木大輔と並んで2人だけ。鈴木が守備の重鎮なら、見木友哉は攻撃の要だ。
サウダーニャを最前線に据え、その背後を司る2シャドーとして船山貴之とともに攻撃を担うのが見木の大きな役割だ。5月は6試合(3勝2分け1敗)に出場して、4ゴール2アシスト、しかもゴールは4試合連続という驚異の活躍で、2021明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVPに選出された。クリスタルトロフィーと賞金20万円が贈られた。
賞金の使いみちとしては、チームに差し入れをしたほかに「親に何か買ってあげようと思います」と優しいところを見せたが、続く6月の成績が芳しくなく、反省が先に立つ。6月は2分け2敗と勝ちがなかった。
「6月はチームとして点を取れていないですし、個人的にもそう。チームとしても個人としても課題ですね」と唇をかむ。見木はもちろんその4試合すべてで先発しているが、確かにノーゴール。チームも4試合で1点のみだった。
7月最初の試合は3日のザスパクサツ群馬戦。ちょうど前半戦最後の試合でもある。きっちり勝って、気持ちよく折り返しを迎えたい。そのためにも、サウダーニャ、船山と組むトライアングルに期待がかかる。さらなるブラッシュアップのために、合流してまだ2カ月ほどのサウダーニャとのコミュニケーションをどんどんと深めている。
「サウダーニャに言っているのは中盤でもっとシンプルにプレーしてほしい、ということです。中盤でドリブルしてロストすることが多かったので、もっとシンプルにやってもらって、ゴール前で能力を発揮していほしいと言っています」
「最後のスルーパスのタイミングは練習後にも話しています。ラスト3分の1の精度やタイミングについて、どんどんコミュニケーションを取ってやっているので、試合で出せればと思っています」
中盤ではシンプルに。そして、見木のパスからサウダーニャがフィニッシュ。そんな絵を描けている。そうすれば、攻撃の幅が広がる確信がある。
「前の3人だけではないですけど、チームでもっといい攻撃ができればと思っていて、ボランチの縦パスからのコンビネーションだったり、サイドチェンジからの崩しだったり、クロスだけではなくいろいろなバリエーションの攻撃を練習でやっています。いろいろなところから攻められれば点を取れると思うので、群馬戦を楽しみにしています」
自分たちへの期待が増している。サウダーニャとは守備についても確認は進む。
「本人もやろうと努力していて、やり方をわかっていないという話ですけど、積極的に取り組んでくれています」
その「やり方」については、「1トップ+2シャドー」という配置を存分に生かした守備のコンビネーションを作っていく。
「相手がアンカーがいるチームのときは、アンカーのコースを消してほしいとサウダーニャには話しています。欲を言えば、アンカーを消しながらセンターバックにプレスをかけてほしいですけど、ただ、そこで行き過ぎてアンカーを使われるのは良くないので、まずはアンカーや、相手がボランチの場合でも消すようには言っています」
そうすれば、シャドーがしっかり連動していく。
「相手のセンターバックやサイドバックにシャドーが行って、そこからバックパスを出させたところでサウダーニャがもう一度センターバックに寄せて蹴らせて回収できればと考えています」
もちろんこうした攻守の「やり方」は、数あるうちの一端に過ぎないが、千葉が最高の7月を、さらにその先を迎えるには、このトライアングルの蜜月が重要になってくる。