ジェフユナイテッド千葉の田口泰士が大宮アルディージャ戦を前に取材に応じた。前節のFC町田ゼルビア戦でドイスボランチの一角として今季初出場。久々のプレーに緊張したと振り返ったが、積極的に縦パスを出し、存在感を示した。ここからさらにチームを加速させるべく、力を尽くすと誓っている。

上写真=前節の町田戦で今季初出場を果たした田口泰士(写真◎J.LEAGUE)

縦パスと切り替えの早さを求めて

 前節のFC町田ゼルビア戦で今季初めてピッチに立った。ゲームをコントロールできる田口のケガからの復帰はチームにとって大きい。あらかじめ尹監督と話して前半だけで退くことになったが、積極的に縦パスを入れる意識を見せ、その存在の大きさを示すことになった。

「僕自身、今年初めての試合で、多少不安はありましたけど、良い入りができました。絶対に負けたくなかったので、そういう気持ちの面は僕自身もチーム全体としても出せたかなと思います。勝てなかったのは残念だったですけど」

 セットプレーから17分にドゥドゥに決められ、先行されたものの、前半終了間際の42分に見木友哉が3戦連発となるゴールを決めて追いついた。田口自身は、外から試合を眺めている際にチームに足りないと感じていた『縦パス』を機を見て打ち込んでいった。「横、横だけでは相手の守備のスイッチも入りやすい。そこは僕自身も意識しながら、味方にもそういう要求は練習からしていました。それはこれからもピッチの上で出していきたいと思っています」。田口のプレーがチームのベクトルを前向きに変えることにつながっていた。

 さらに、切り替えの早さについても改善していきたいと田口は話す。「細かいことですけど、相手のボールになった瞬間の切り替えだったり、瞬間瞬間の切り替えがすごく遅いなと感じる試合が外から見ていてもありました。そういうところは僕が練習に入るようになってから要求しています。一つの声でできる守備だったり、攻撃もあると思う。そういう声がもっともっと出てもいいんじゃないかなと持っていたので、それは要求しています」。攻守両面でいっそうチームを引き締めていきたいという。

 自身のコンディションはまだまだ万全ではなく、試合を重ねながら徐々に上げていくと言うが、意識の面では戦闘態勢が整っている。次戦の大宮戦に向けて、集中していた。

「監督交代でもう1回、ここからリセットして頑張るぞという強い気持ちで試合に入ってくると思う。まずはそういう気持ちの部分で負けないように、こちらも強い気持ちで試合に入るのが大事になる」

「負けないことが何より大事。前節もしっかり追いついて負けなかったので、その前節の勝ち点1を生かすためにも、大宮戦ではアウェーですけど勝ち点3を持ってこないといけないと思っています」

 田口の復帰は、ボランチとしてのプレー面はもちろん、メンタル面でもチームにとって大きい。千葉は現在10位。ここからにさらに上昇していくために、頼もしい男が帰ってきた。